炭酸紅茶ブレンド
□小話
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弔いの花束(レイトン+銀時)
※時間旅行後
あの事件から一週間後、銀時君が珍しく花束を持って私の研究室に現れた。
仕事終わったか?と尋ねてきたので私はもう少しと返事をした。いつもなら、先に帰るぞと言うのに今回は珍しく、そうかと呟くと黙ってソファに座った。
本当に珍しい出来事に気になってしまった私はすぐに仕事を終わらせた。
終わったよと伝えると銀時君は来いよと言ってスタスタと研究室を出るので私も彼の後を追いかけた。
外に出ると銀時君は大学の中庭で足を止めた。すると花束を地面に置き、懐からマッチ箱を取り出した。
「何をするつもりだい?」
「こうすんだよ」
マッチ箱からマッチ棒一本取り出すと火をつけると地面に置いた花束に落とした。
マッチの火は花束に移り、炎へと変化した。
「銀時君、せっかくの花束が…」
「良いんだよ。これで」
パチパチと火花が散る音が木霊のように響いた。
「この方が天国にいる元カノに届くだろ?」
ぼんやりと呟いた銀時君の言葉に私は小さな声で呟いた。
「届くのかい?」
「届くに決まってんだろ」
せっかく自腹で買ったんだと自慢気にニヤリと笑う銀時君に私も釣られて笑ってしまった。
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