炭酸紅茶ブレンド

□レイトン教授と悪魔の箱
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序章


グレッセンヘラーガレッジの外国専攻日本語文学部。通称 日本文化教授である銀時は講義を終えて、研究室へと足を運んでいた。


「坂田先生」


後ろから声を掛けられ、銀時はクルッと後ろを向くとくるんっとしたハニーブラウンのセミロングな癖毛にブラウン色の瞳の小柄な女性がニコッと微笑んでいた。


「二ケ」

「お疲れ様です!」


二ケと呼ばれた女性は銀時に明るい顔で挨拶をした。それを見た銀時はため息を漏らしてしまう。

彼女は二ケ・ミラージェン。
銀時の教え子で祖父が日本人なのがきっかけでいつか、日本へ行きたいと思い、この大学に入ったらしい。


「今日も楽しい授業でしたよ」

「そーかよ。んで、何の用意だ?」

「あっ、そうでした。実は先生にこれを渡そうと思いまして…」


ガサゴソと手下げ鞄を探り、銀時にあるモノを差し出した。


「モレントリー急行の切符じゃねーか」


モレントリー急行はこの街、ロンドンでは有名な列車で銀時も一度は耳にしたことがあったので知っている。


「そーなんですよ。実は私の友達と予約したモレントリー急行に乗って旅行しようって約束したんですけど、私も友達も急に予定が入ってしまって…」


だからあげますと二ケは切符二枚を銀時に差し上げた。


「オイオイ、イイのかよ?」

「もちろんです。先生にはいつも面白い授業してもらっていますし。あっ、その代わりに今度、あの苺大福ご馳走してくださいよ」


それじゃあと二ケはその場を立ち去った。銀時はぼんやりと切符を見つめ、どーしよと呟いた。




だが二週間後、あの事件に関わる事を知らずにそのまま、切符をポケットに突っ込んだ。



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