乙女と武将の小話
□拍手:手持ちシリーズ
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※団子屋で食べているときのモンスターボール内部。
『むーっ。梅ちゃんだけずるーい』
『いきなりどうしたの、トゲちゃん?』
『ラキちゃん聞いて聞いてっ! 梅ちゃん、ママの膝で甘えてるの。あそこはトゲの位置だったのにずるいよー。トゲ、大きくなってからはママに抱っこしてもらうの大変だから……むぅ』
『ふふ、お母さんをとられて寂しいのね。でも梅ちゃんはこれからいっぱい甘えて愛情を知らなきゃいけないの、トゲちゃんの方が沢山たーくさん愛情を貰ってるのよ? お姉ちゃんだからね』
『そうなの? ……あ、トゲ、お姉ちゃんなんだ。あーっ、妹できたできた! 妹だーっ!!』
『マスターがおふくろだとすれば、親父はあのゲンジロー……だよな? あーもう! 何で早くちゅーしねぇんだよ、見ててじれったいんだよ。好き合ってるんならどっかーんとぶつかれってーの! 普段は仲良しの癖に、何でイザって時は二人して真っ赤になるんだよ! あぁもう、俺が見たいのはそんなんじゃねーのに!』
『お兄ちゃん、落ち着いてよ! 気持ちは分かるけどさ、ご主人様を困らせたら駄目だよ? そんなの嫌でしょ?』
『嫌だけどさー、俺的にはつまんねぇんだよ。だってマスターの春だぜ? あのポケモン馬鹿としか言いようが無い微妙スタイルのマスターがイケメン捕まえたんだから、とっととモノにしてほしいんだよ! それなのに二人とも遅すぎてイライラすんの! あぁ、くそっ、俺が迷彩の兄ちゃんの立場なら後押ししまくるのに!』
『だーかーらー! それが駄目だってばーっ!』
『??? なーなー、ベトー。イブとブイは何を喧嘩してんだ? ご主人と赤いの仲良しじゃん、何でイライラすんの?』
『恋愛関係に中々入らない事でイブが怒ってるだけだと思うんだな。ブイはイブが暴走しないように宥めてるんだな〜』
『あー、そっか。イブって結構強行しやすいからなー。ブイもご苦労さんだねー。ところで、れんあいかんけーって何?』
『へ? えーと……どういえばいいかな。雄と雌で好き合う事?』
『友達の事?』
『いや、そうじゃなくて……えとえと、ラキ、バトンタッチしていいかな?』
『いいわよ。その代わり、トゲちゃん宜しくね。タッちゃん、どうしたの?』
『れんあいかんけーって何ー? 男と女の友達関係かー?』
『違うわ。親しい男女間という意味では合っているけど、友達とは違うの。友達は一緒にいて楽しい、息が合うって思う相手なのは判るでしょ? 恋愛関係……つまり恋人っていうのはね、ずっと一緒にいたいって思う相手の事。大好きで大好きでたまらなくて、一緒にいて暖かくなったり、独り占めしたいって思う相手の事』
『よくわかんねー。えーと、お気に入りみたいなもん?』
『ちょっと極端だけど、そんなところね。タッちゃんもそういう子が現れた時、分かるようになるわ』
『ふーん』
『……まともだ! 対処まともだ! こーゆーのって、大抵てきとーに誤魔化して誤解させるパターンじゃね?』
『ラキはご主人様のお手伝いでいろんなポケモンの面倒見てるから、このぐらいは余裕なんだって』
『ラキちゃんの説明わかりやすいよー!』
『ごまかしが上手いともいう』
『イブ、そろそろ口を閉じた方が良いとおもうんだな。……ラキが軽くオーラ出してて怖いんだな』
『うげっ!!』
主人公二人目の手持ちは大体こんな感じ。一人目に比べると大分穏やかです。
末っ子で甘えたがりだったけど妹出来たのではしゃいでるトゲキッス、穏やかで優しいお姉さんなのでメンバー内では一番力のあるハピナス、デバガメ大好きじれったいのが大嫌いでうっかり発言で怒られるエーフィ、そんな兄を自重させたい苦労人のブラッキー、脳筋系のアホの子キングドラ、のんびりした口調の割にメンバー一の良心ベトベトン。
煩いのはエーフィとキングドラとトゲキッス。でも基本的に穏やかで家族みたいなものだから、揉め事はあんまり無い。親が親なので、メンバー自体すっげー仲良し。というかまともで穏やか。