aoex(拍手)

□会話文
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「志摩ってさ、カッコ悪ぃよな」

「…はい?何やて?俺がカッコ悪い!?」

「奥村…何や急に」

「いや、勝呂と子猫丸はこんなにカッケーのに、小さい頃から一緒に育ってきた志摩はどうしてカッコ悪いんだろうと思ってさ」

「え、僕かっこええですか?ありがとうございます」

「志摩がカッコ悪いんわ昔からや、今更言うことでもないやろ」

「いやそもそも俺カッコ悪いとこなんかあらしまへんし!!奥村くんは何で俺のことをいっつもカッコ悪い言うん!?」

「しょうがねぇよ、志摩はカッコ悪ぃもん。な、勝呂?」

「おん、そうやな」

「坊…さっきからひどないですか?」

「手前がカッコ悪いからや」

「だから違う言うてるですやんかぁ!!」

「でも志摩さん、虫えらい苦手ですやんか。あの怖がりようはカッコイイとは遠いんやないですか?」

「う…それ言うんは反則やん…。子猫さんまで俺をカッコ悪い言うんですか!?」

「そういうつもりやなかったんですけど…」

「子猫丸を責めるなよ。それに虫嫌いは事実じゃねーか、やっぱり志摩はカッコ悪い!!」

「だって虫さんやで!?あんな恐ろしいモンが同じ世界に住んどる思うただけで…!!」

「…あかん、志摩が失神しそうや」

「え、虫いねぇのにか!?」

「志摩さんは想像だけで失神しはるんよ。僕が虫の話題なんか振らんやったらよかったですね…」

「子猫が気にすることやないで」

「そーそー」

「そうですか?ならええんやけど…」

「…って、誰も俺を助けよ思わんの!?さすがに扱いひどすぎやろ!!」

「…あれ、兄さん?それにみなさんも。どうしたんですか、すごく盛り上がってるみたいですけど…」

「お、ゆきおー」

「奥村先生は何してはるんですか?」

「帰ろうとしたら教室の方から声が聞こえてきたもので。みなさんは?」

「なぁ雪男!!雪男もさ、志摩はカッコ悪いって思うよな!?」

「え、志摩くん?」

「ちょ、みんな俺のことシカト!?しかも奥村先生に何聞いてはるん!?」

「そや、先生の立場から見て、志摩はどないですか?」

「そうですね…」

「奥村先生も答えるんかいっ!!」

「別に、カッコ悪くはないと思いますよ。錫杖の扱いは素直にすごいと思いますし。まぁ詠唱の方は全然みたいですけど」

「…褒められた思て喜んどったら早速地に落とすやなんて」

「あぁ、あと志摩くんは僕の授業の成績があまりよくないみたいですね。…やっぱりカッコ悪いのかな?」

「奥村先生も敵やぁぁぁぁ!!」

「だよなだよな!!うん、志摩はやっぱりカッコ悪い!!じゃ、カッコ悪い志摩は置いてもう帰ろーぜ。雪男も帰るんだろ?」

「…え、奥村くん?」

「うん、そのつもり。久しぶりに一緒に帰ろうか、兄さん」

「奥村先生も言うだけ言うて…!!」

「ほんなら子猫、俺らも帰るか」

「ちょ、坊!?俺には声すらも掛けてくれへんのですか!?」

「そうですね、ほな帰りましょうか」

「子猫さん今日ひどい!!」

「じゃーな。勝呂、子猫丸」

「おん、お疲れ」

「奥村くんに奥村先生、また明日です」

「お2人とも、気を付けて帰って下さいね。さ、僕らも帰ろうか」

「おぅ!!あ、雪男、今日の夜は何がいい?」

「兄さんが作ったものなら何でもいいよ」

「そっかー…なら今日は…――」



「……何これ、泣いてええ?」



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扱いが酷い不憫志摩。
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