aoex(拍手)

□140字SS
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【勝雪】
奥村先生の世界が奥村を中心にして回っとることくらい、気付いとった。「…僕の中で、君は一番にはなれないですよ?」せやから、そう言われても傷付くいうんはなかった。ましてや、嫌いになんなるわけないやろ。「それでも、雪男のことが好きなんやから」



【志摩燐】
「一緒に住むんやったらやっぱ奥村くんが料理担当よね?」「はぁ?何で」何でって…本気で言うてるんやろか、この子。「料理は当番制だろ」「俺、料理できへんで?」「ばーか。…俺のこと、おいしく料理してくれんだろ?」「っ!?もっもちろんやん!!」…今日の料理当番、俺でええよね?



【メフィ燐】
こいつにはきっと、何でもお見通しだ。「おや、私に何か用ですか?」だから、俺が理事長室に来た理由も、この気持ちだって、全部知ってる。でも、俺にはこいつのことなんて分かんねぇから。「…お前は、どう思ってんの?」「あなたと同じ気持ちですよ」あぁ、なら両思いだ。



【志摩雪】
「…若先生、」「何ですか?」「うぉわ!?」呼ばれたから返事したのに、驚かれた。「いやな、ずっと若先生言うんもおかしいなぁ思て」確かに恋人同士の呼び方ではない。「これからは、雪くんて呼んでもええ?」「…ダメ」「えぇっ!?」雪くん、なんて…嬉しすぎて、返事できないよ。



【勝燐】
「勝呂…俺が魔神の落胤でも、好きでいてくれるか?」奥村はたまに不安定になる。ほんで、決まってこの質問をしてきよる。当たり前やろ、いつもはそう答えよったけど。「好き、やないな」「…っ」泣いとるお前なん見たないからな。「愛しとる」…やっぱ、お前には笑顔が似合うわ。



【メフィ雪】
「フェレス卿、もう…」「いいえ、私がやりたいからしているのです」手当てをされるなんて滅多にないことで、なんだかくすぐったい。「…それが嫌なら、もう怪我をしないことですね」包帯を巻く手がぎこちなくて、少しだけ笑ってしまった。たまには怪我もいいかな、なんて。


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