short stories

□青春ってやつ
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「鳳…泌香のアレ…」



キスマーク…だよな。
なんで昨日はなかったものが泌香に…



「日吉ぃ…付けるならもっと見えないところにしてあげないと。唯厨ちゃんかわいそうだよ?」

「はぁ?何言ってんだよ。俺なわけないだろ」

「え…日吉まさか…覚えてないの…?」

「え…?」

「昨日、日吉を布団まで運んでくれたの唯厨ちゃんだよ?それで…その…///」



鳳は俺と同じ部屋で、早々につぶれて寝かされていたらしい。
ひと眠りしてところに、泌香が俺を抱えて部屋まで連れてきて…その音で目が覚めた。
そして鳳は、そこで起きた衝撃のシーンを俺に話した…



「/////うそ…だろ?」

「ほんとだよ!日吉何度も『唯厨っ唯厨』って…」

「いいい、言わなくていい!//////」



は、恥ずかしすぎる!それに、申し訳なさすぎる…!

それにしても全く覚えていない。泌香に運ばれたことも、その…あとのことも……

最悪だ…
誰よりも触れたくて、誰よりも大事にしたいと思う相手に…
大切にしたいが故に、自分の想いを伝えることを抑えてきたというのに…
こんな形で、しかも無意識に自分の欲望をぶつけてしまったというのか!


「最悪だ…」


俺は頭を抱えてそこに座った。
そんな俺の肩をたたいて鳳はしゃがみこんだ。


「日吉、大丈夫だって。ちゃんと謝れば唯厨ちゃんはわかってくれるよ」

「今更…」

「何言ってるんだ。そりゃあ覚えてない上に、唯厨ちゃんの唇奪って、身体弄って…」

「///もういいだろ…」

「やってしまったことは仕方ないよ。でも気持ち伝えるいいチャンスじゃないか!」

「はあ?何言って…」

「『無意識に求めるくらい、唯厨ちゃんのことが好きです』って」

「そ…それは…」

「『夢の中ではいつも“唯厨”って呼んでます』ってさ!」

「っ鳳!」

「とにかく!何もしないと気まずいままだよ、ホラ!」




俺は大広間を飛び出した。




言うんだ。泌香に。

お前のことが好きだと。

鳳のように俺のことも名前で呼んでほしいと。

夜も眠れないくらい、お前のことばかりを考えていると。







「あーあ!あの時唯厨ちゃんが嫌がってたら助けようと思ってたのに。全然いやがらないんだもんなー」







泌香に謝罪し、想いを告げているときの俺の心臓は、発作かと思うくらいドキドキと動いた。

大広間で鳳なこんなのんきなことを言っているとも知らずに。









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