short stories

□ネコハカイヌハカ?
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「唯厨。」


部室で部誌を書いていると、蓮二がいきなり声をかけてきた。


「びっくりした。いたの?何?」

「お前は猫派か犬派かどっちだ?」

「ネコハカイヌハカ?なにそれ。」

「猫が好きか犬が好きかという話だ。確かお前は猫派に移行したはず。」

「えー、わかんない。」

「どっちだ。」

「えー、だってどっちも好きだもん。」

「どちらかと言うとどっちだ?」

「強いて言うならばうさぎが好き。」

「どっちだ。」

「なんでその二択にこだわるの?」

「いいから。これをみてくれ。」



蓮二が出したのは、猫と犬の写真だった。

なんでこんなもの持ってるのよこの少年は。



「きゃあかわいい!」

「さあ、どっちだ?」

「んー、猫かなぁ…でもこの写真だったら犬かなぁ。前は犬派だったんだけどなぁ。」

「猫派…だな!」

「でも犬もすきだよ。」

「それはいいから。猫派なんだな。」

「んー、まあそういうことにしておくよ。ていうか何でそんなことにこんなにこだわってるの?なんかあった??」

「いや、なんでもない。」



と写真を持って、ぱっと部室からまた姿を消した蓮二。

その奇怪な行動に呆気にとられて、呼びとめることすら忘れていた。



なんなんだろう…とおもいながらも、再び作業に取りかかると、

今度はバタバタと音がしてものすごい勢いで何かが部室に飛び込んできた。







「唯厨せんぱい!何で猫なんスか!前は犬だったじゃないですか!!」



と赤也が半泣き状態で私に訴えてくる。

――えーと、犬と猫がどうした?



「だから、犬も好きだって。」

「へ?」

「どっち、って迫られたから猫派っていったけど、犬も猫も同じくらい好きだって。」

「ほんとスか!?」

「ほんとだってば。」


赤也の顔がぱあっと明るくなった。

犬も好きと言っただけで、なんだろうこのあからさまな喜びようは…。

まるで赤也が犬みたいじゃない。そうなのか、犬なのか?




「あッした!俺、猫に負けないように練習頑張ってきまっス!!」



と赤也もまた間髪いれずに部室を出て行ってしまった。

どうやら赤也はこの後猫と闘うらしい…



「!!」



ひらめいた私はすぐさま部誌のタイトルに書き込む。










『ワンニャン戦争』…と。














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あとがき
大方、雑誌の特集で、YESorNOをやったら動物が決まる的な、ね。
んで赤也が「やったー!俺犬っすよ!唯厨先輩犬好きっすからねー!」とか
いったもんだから、参謀がむきになったんだと思う。
ちなみに参謀は猫だといいな(願望)


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