その他 読切
□14歳のリグレット
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私はこの世に双子として生まれた。正当な王位継承者として、だ。
先に生まれたというだけで、長女の私は女王になった。そこに待っていたのは努力も挫折も羨望も無縁の、約束された未来だった。王位継承のその日から、十四歳の私は何をしても許された。
「さあ、ひざまずきなさい」
「仰せのままに。王女様」
目の前の、二十歳以上年上の者でさえいとも簡単に平伏させることができる。それが私の特権だ。
馬が欲しいと言えば、次の日には王国で一番の馬が献上される。ジョセフィーヌと名付けた雌馬は、とても大きく美しかった。王宮のお金が足りなくなれば、すぐに税率は倍になる。抵抗は許さない。この国の民は、私に奉仕するために生まれてきたのだ。
「お金が足りなくなったなら、愚民どもから搾り取ればいいじゃない。私に逆らう者たちは粛正してしまいなさい」
「……わかった」
「どうしたの?元気ないわね」
どれだけ聞いても、弟は曖昧に微笑むだけだった。