戦国BASARA

□想いのカタチ
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恋の形っていろいろある。


「渚、恋とはなんなのだ?」

「え。あんた恋してんの?」


普通なら男女。けど、男同士とか女同士とか、そういう恋もある(らしい)。

詳しくないけど、そういう・・・同性愛?一応理解してるつもりだった。


ある日の放課後(in図書室)。
真田幸村が声をかけてきた。


「会話が楽しく、共にいると和むのだ。渚、これは恋なのか?」

「ちょっと待って、それ誰?
まさかB組のお市サン?」


からかってみたけど、いや、と真田がすぐに訂正した。


「眼帯が似合うあの男だ」


「・・・男?」


真田の目がキラリと輝いた。コイツ、恋する乙女並に周りが見えてない。
私がもしひいたらどうするつもりだったんだろう。


「うむ!気も合うし、なによりあの熱き魂が」


「あぁーいたいた真田」


拳を握りしめた真田の肩の向こうに、ひょいと佐助が顔を出した。


「佐助!」

「ちょっ今大事な話してんの!猿は山に帰ったら?」

「はぁ?真田は俺様と一緒に帰る約束してんの!
お前こそ言葉遣いとか、もっと女らしくさー」

「女らしくって、かすがちゃんもこんな感じでし
ょ」

「な、かすがの話なんかしてないだろ!」

「顔真っ赤にしてよく言うよ!あんたがかすがちゃんを追いかけ回してるの知ってるんだから」


佐助がまた口を開きかけた。
悪口を言い合うのはもはや習慣。小学生のときからずっとだった。

次の言葉が閃いた瞬間。
真田が真顔で一言。


「二人共、ここは図書室だぞ」

「あ」

「やば」


さっきまで静まり返っていた図書室に、三人の声だけが響いていた。
受験に向けラストスパートをかけていた先輩達の視線が痛い。


「すみませんでした・・・」


三人は逃げるように廊下に出た。
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