その他 読切

□死神〜その花嫁〜
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死神は、人の魂を奪う。

だが、地域によっては神として崇められることもある。
見かけも様々で、死んだ人間の皮を被ってなりすますこともある。

死神は100年に一度、黄泉からやって来る。
見初められた若い娘は花嫁となり、やがて黄泉の國へと連れ去られる――





「アルル、誕生日おめでとう!」

「わあ・・・ありがとう、皆!」

 大きな花束を受け取り、少女が満面の笑みを浮かべる。広場には村人が集い、彼女の誕生日を祝っていた。

 アルルは18年前、名もない村の教会に捨てられた。
 生まれたばかりの赤ん坊を引き取った二人は裕福ではなかったが、それでも我が子として大切に育てた。

 
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