long story.
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black+led.
未明より降り続いていた雪も止んだ午前10時。
毎日三食を作りに自宅に訪れる幼馴染みを送り序に街に出掛ける事にしたシュン。
「昼はお前んち、行くわ」
街外れにある自宅と街とを挟む様に流れる川の上に架かる橋を渡りながら隣を歩く泉姫に告げる。
「じゃあ…オム蕎麦作って待ってる」
「………俺にどんだけコレステロール溜めてェんだよ」
漸く目線の高さが同じくなった幼馴染みを横目に見遣れば楽しそうに笑っていた。
「シュン、背、伸びたね」
そう言って尚、楽しそうな幼馴染みに安堵する。
遠い記憶の中にある真っ白な光景が、現実であったのか自分が見た夢なのか解らないがあの光景の中にあった泉姫は、泣いていた。
怯えていた。