long story.

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black+led.


 一人、また一人と消えていく。

真っ白な世界でやけに朱だけが鮮明でこれまで繰り返される悪夢はいつだって現実に起こった事だった。

ビーロンを乗せた馬車が襲われ彼の行方が解らないと伝え聞いたその夜に泉姫の見た夢はいつもと違っていた。

漆黒の長い髪の少女が、横たわる幼き日のシュンを見下ろしている。

少女の大きな瞳は深紅で血の様だった。


『   を  して、』


『シュンに触らないで…!!』


『なら   を私に  ?』


(これ以上、私にあげられるものなんてないのに……!!)


横たわるシュンに縋り付いて両手を握り締めると意識が浮上する。

同時に忌まわしい傷痕がズクリと傷んだ。
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