long story.
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black+white.
自分に伸びる複数の腕より逃れ凶器を奪った。
体術の経験も乱闘の経験も勝利も経験してきた。
しかし血を流させた事も命を奪った経験はない。
生きる為のソノ行為をシュンは、知らない。
『構うな!ココを離れろ!!シュン!!』
そんな怒りにも似た叫びと舞い散る朱。
鈍い銀色の刃を躊躇なく捌くディーを見た。
ディーと己の手の内を交互に見詰めれば何かが背を押す。
突き動かされるままに身体を動かせば風を切る様な失笑を耳に聞いた。
『流石はベイの子、か…』
思う儘に駆けた。狙う儘に追った。
一つ、また一つ、奪う代わりに身は傷付いた。痛みも自身より流れる朱にも構わなかった。
生きる。
それだけではなく。