ネタ帳

□神風
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「んー?マルコ…?」


くるり、と振り返った男はひょい、とマルコの目の前に来ると体を乗り出してマルコの顔を覗き込んだ。



「不死鳥?」


「っ、そうだよい。アンタは、神風か…?」



「あぁ。俺は"神風"のルイだよい」


自分で勝手に真似をしておいて何が面白いのか、けらけら笑うルイ。


「んでここ何処?」


うーん、と伸びをすると徐に甲板の縁に足をかけた。


「ま、どうでもいいや。落ちたら助けてよ」


「は?ちょっ神風!」


「よいしょ」


くるり、とマルコの方を振り向きそのまま後ろに倒れ込んだルイ。


このままでは海に落ちてしまう。彼は能力者だったはずだ。それなのに海に飛び込むなんて自殺行為だ。


思わず駆け寄り、海を覗き込もうとするマルコの目の前に、今さっき海に飛び込んだはずのルイが現れた。



「あーよかった、飛べた」


空中に立つような姿勢で浮かんでいるルイの足元は微かに風が渦巻いているようだった。


そうだ、コイツはカゼカゼの実の能力だった。


何か言おうとして、結局は諦めたように溜め息を一つついたマルコなど知らずに、ルイは海に背を向け甲板の縁に腰かけた。
同時に足元のつむじ風達も消えた。


「いやー、能力使えてよかったわ」


右手の人差し指を立て、つむじ風に変える。


「…取り敢えず、親父に会いに行くよい」


「白ひげ?」


じゃあ失礼がないようにしなきゃな、と甲板に飛び降り、パンパンと服を叩く。


そして歩き始めたマルコの後について船内へ消えていった。




心配させる天才と心配しすぎな天才





「マルコ隊長、珍しく焦ってたな」
「てか神風って何だ?」
「馬鹿、知らねぇのか!?あの海賊王の船員<クルー>だ」
「いや、でももう何十年も行方不明で、死んだって噂じゃなかったか!?」
「タイムスリップとか!?」
「そっくりさんとか、まさか息子!?」
「ドッペルゲンガー!?」
「どっぺる…?んだそりゃ?食えんのか?」
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