短編

□君想い
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話の都合上、「燐→しえみ」な感じになっています






「しえみってどんなもんやったら喜ぶかな…」
『え?』

学校の休み時間、教室で昼食を二人で取っているとき燐が独り言のようにそう言った。

「あ、いや、なんつーか。その…」

恥ずかしさから頬を染めて、「べ、別にただ前に手当てしてもらった。礼で!!」と慌てて手を振り動揺している燐。
相当鈍い人間じゃない限り誰でも気づくと思うが、燐はしえみのことが好きだ。
そう、私はただの友達。

『しえみなら、花の種とかあげれば喜ぶんじゃないかな』
「なるほど、そうだな!」

太陽みたいに笑う燐。
それに釣られて少しだけ私も笑い、何でもないようにこう提案する。

『今日、花屋に行こうよ。燐はどうせ花なんかよく知らないでしょー』
「う、うるせぇ!!」
『ほら、図星だー』

からかえば面白い反応が返ってきてそれを私が笑う。それに釣られて今度は燐が笑う。これでいい。


♂♀



「サンキューな名前」
『ううん。いいよ』

きれいにラッピングされたふくろを見て燐が嬉しそうに笑う。
その顔が見たくなくて少し歩幅を小さくして燐の顔がぎりぎり見えない距離を保った。

「あ、でもいつ渡せばいいんだ…」
『塾、始まる前でいいじゃん』

もししえみがいい子じゃなかったら私は嫌いになれたのに、やさしいしえみを嫌いになることはやっぱり出来なかった。
だから本心は隠して鍵をかける。
燐が好き。だけどしえみも大事な友達だ。
二人に嫌われたくないから、燐に嫌われたくないから

『喜んでくれるって、きっと!』



キミ想い 片思い
―――――
タイトルはボカロPタカノンさんの『キミ想い、片思い』を拝借。
いや、なんかすいませんでした。グダグダしてごめんさい←
曲に触発されましたけど何か?!(´・ω・`)
タカノンさんの曲は紅葉の駄文と違って素敵な曲です←
 

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