短編小説
□愛され日和
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「い、いくぞ……リオン!」
金髪の青年が横たわっている黒髪の少年の隣に膝まずき、覆い被さろうとしている。
緊張しているのか、顔は真っ赤だ。
「ちょっと!待ちなさいよ!!」
「止まるのだ、スタン君!!」
後方から黒髪の少女と、銀髪の青年が金髪の青年―――スタン・エルロンを呼び止めようとしている。
だが、必死な彼等をちらりとだけ見ると、スタンは再び黒髪の少年に覆い被さった。
二人の顔の部分はスタンの長い髪によって隠れて見えない。
「「「ダメー!!」」」
スタンと、その下にいる黒髪の少年―――リオン・マグナス以外の仲間の心が一つになった瞬間であった。
何故このようになったか―――時間は、現在より数十分程さかのぼる。