辰星
□病は気から。
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「おい一琉、大丈夫か?」
突然倒れかけたボク、一琉は昨日あたりに風邪を引いた。
「大丈夫・・・じゃなさそうだな。」
しきりに話しかけてくれているのは、ボクの最近気になる相手、奥村燐。
「真っ赤な顔して・・・風邪引いたのか?」
『みたい。』
「おいおい・・・」
今日は授業が早く終わったため、午前中に寮に帰れることになった。
ヤバイなと思い寮に帰ろうとしたところ、彼に見つかったのだ。
「風邪引いたんなら、保健室よって行けばいいじゃないか。」
『そんなんで直る風邪ではござらぬ。』
そう。
ボクは何故か風邪を引くと、拗らせてしまうのか、風邪が普通の人より長引く。
薬なんて効きやしない。
『ということで、私は早く寮に帰って休みたい。その手を離してくれないか?』
燐が話しかけてきてからずっと、燐はボクの腕をつかんでいた。
「倒れかけてただろ?危なかったからさ・・・」
『それはそれは、ご迷惑をおかけいたしました。もう大丈夫ですので手を「駄目だ。」・・・は?』
「風邪引いてるならなおさらな。寮まで送ってく。ついでに看病も。」
『はあ・・・』
「遠慮するなって。」
そう言って、彼はボクをひょいっと持ち上げて、寮に向かって歩き出した。
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