銀月短編集
□アイドルとか大体インタビューで好きな食べ物聞かれるよね
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「ぬしは甘いもの以外に好きなものはあるか?」
いつものように月詠の部屋に遊びに来ていた銀時は庭を見ながらジャンプを片手にだらしない格好で横になっていた
「ん?食いもん?
月詠のことならいつだって食べたいけど?」
俺の誕生日は過ぎたばっかだしと付け加える
「真面目に答えなんし!べっ別にぬしの好きな食べものを特訓したいとかそんなではない
ただ、知りたかっただけじゃ!」
唐突に発揮される月詠のツンデレのデレモード
銀時は思わずジャンプを落とした
〜っコイツはいまどんだけ俺のサガに直撃させてるかわかんないんだろう
クルリと身体を反転させると月詠側へと向きあぐらをかく
「…おまえなぁ…そういうのはねぇ…あ〜あ銀さん十代のガキじゃないんだけどなぁ…」
さっきやったばっかだしと小さく呟く
「ぬしはどうみても二十代後半じゃ
そろそろ三十路に手が届くじゃろ安心しなんし」
「てっめ俺は心は十代だからね!キン○キッズだって硝子の少年まだたまに歌うからね!」
「ぬしはどうみてもジャニーズ系じゃなかろう
それにキンキは同世代じゃろうが」
「お前ジャニーズ舐めんじゃねーぞ城島○なんて四十だけどアイドルだからな
俺だって明日あたりYOUアイドルなっちゃいなYOって電話かかってくるかもしれねーじゃんか!」
「夢を見るのは自由だからな」
冷たい視線が帰ってきた
「知らねーよ?そんなこと言って本当にかかってきたらどうすんの?
銀さんただでさえみんなのアイドルだよ?
いいのなっちゃっても?」
「なれるものなってみなんし!わっちには関係ない!」
月詠はそっぽを向く
「んでなんで好きなもの特訓したいとか思ったワケ?」
月詠はチラリと銀時を見たがまた壁側に視線を向けた
「雑誌に…長く愛されるには胃袋を掴めと
それに最近うちで食べていくことも多いじゃろ…
だからぬしに美味しいものを食べさせたい」
耳を真っ赤にしながら小さい声で月詠は銀時に言った
月詠がそっぽ向いてて助かった
ぜってー今顔見られたらこっちが恥ずかしい
あぁ〜くそっ!
しゃーねーな全国のファン泣かせるなんて趣味じゃねぇけど
月詠を押し倒しながら銀時は近い将来
アイドルではなく
子供とおかずを取り合う自分が見えるような気がした