銀月短編集

□いつから?
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「好きな女がいる」


警察学校の入学試験に合格した三日前


銀時に報告したら合格祝いだと教えられた


人の気持ちなど知らずにとんだ合格祝いだ


松陽と地雷亜が互いに男やもめの生活は大変だからと一緒に生活をし始めたのは八年前

銀時とわっちは10歳と9歳だった

わっちは早生まれなので学年は同じだったが、銀時はいつも偉そうでいつの間にか兄妹のように生活してきた

三年前に松陽が病死し
一年前に地雷亜が殉職した後も

地雷亜の親戚だという日輪を後見人として
2人は変わらず
同じ家で暮らしている

地雷亜が死んだ後、元は赤の他人

年頃ということもあり、互いに一人暮らしをすることも可能だった

だが銀時はこの家を離れたくないと言い

わっちは家よりも銀時と離れたくないと思った時、自分の気持ちを自覚した



現在は2人共高校三年生だ


けれどあと2ヶ月で銀時は松陽のような教師になる為
卒業後は都内の大学に進学する

わっちも地雷亜のように成りたくて警察学校に進学することを決めた


互いに自宅から通えない距離ではないが先日銀時の部屋を掃除したら不動産のファイルがあった…


このままでいられないことはわかっていた


でもずっとこのままで居たかった


だから自分の気持ちに蓋をしていたのに…


まさかこんな形で失恋し離れるようになるなんてそんなことは想像していなかった


銀時の大バカ者…!
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