少女A

□08
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私は男の子が大の苦手だ。いやそれは断言出来るから良いんだよ?


『…だけどこんなつもりじゃなかったんですよー!』


「まあまあ、千春ちゃんも頑張ったんだから」


私は今、絶賛大泣き中。
そして私を慰める月ちゃん。


時は10分前に遡る。




















私は教壇に立つとふうと深呼吸。

視線は私へと集中する。

―よし、頑張れ私!
やれば出来る子よ千春!


『…さっきは逃げ出してすみませんでした。自己紹介したいと思います。

名前は如月 千春。

好きなものは今のところ月ちゃんと剣道。
嫌い・苦手なものは男の子と女の子以外の性別の人間です。
あと、私に1メートル
以上距離を取って下さい。
近づくと竹刀でボコボコにしかねないのでよろしくお願いします』


言い終えると精一杯の笑顔でお辞儀。

月ちゃん出来た!
私やったよ!


そんな気持ちで月ちゃんを見る。だけど彼女は何故か苦笑い。

横を向くと顔面蒼白の
陽日先生。


あれ?何かあったのかな…。

もしかして私マズイこと言った…?


私は今自分が言ったことを思い返してみる。


…ちょっと、私今ボコボコって言わなかった?

男の子苦手って言わなかった!?


―私は今正にこの言葉が頭の中で反芻していた。


…後悔先に立たず。
























そして今に至る。

おかげで自己紹介後には
クラスメート達からは
笑ってごめん!という
一言の謝罪の嵐。


私はますます男の子との壁を作ってしまった訳で。


『私、星月先生に男の子克服しろって言われたのに…。
月ちゃん…私はどうすればいいんでしょうかー!?』


「千春ちゃん…。
そんな風に悩む千春ちゃんも可愛いよー!」


うがーっ!と悩む私を
ガバッと抱き締める月ちゃん。


いや絶対月ちゃんの方が可愛いよ。

だって天使みたいだもん。


「ちょっと、月子にべたべたするの止めてくれない?」


『げ』


…苦手対象が、3人。



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