オリジナル
□魔女っこゆりりん☆
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「…でかぁ」
王宮は大きかった。
おそらく漫画でよく聞く「トイレが私のうちと同じ大きさです」状態なのだろう。
ゆりりんは大きく息を吸い込みチャイムを押した。
***ピーンポーン***
《はぁ〜い、どちら様ですかぁ?》
「あっ、悪い魔女のゆりりんです!」
ゆりりんは正直だった。
《………》
「………」
暫くの無言。
ゆりりんの緊張が増していく。
《少々お待ちください》
「はぁーい」
〜30分経過〜
「こないじゃない!!」
ゆりりんはぷんすかしていた。
少し、と言いながら30分も待たされているのだ。王宮の人間の少しは何時間なのだろう、ゆりりんは思った。
すると、門の向こうに人の姿が見えた。人を待たせているのにも関わらず随分ゆっくりとした足取りだ。
やっと来たのは大柄の男がふたり。ゆりりんの横につくと、
ガシッ
「?」
「悪い魔女だそうだな!とりあえず牢屋に入れることにしたから」
「な!?」
わけがわかっていないのはゆりりんだけだった。