小説

□僕は、彼女に恋をする
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僕たちの出逢いは、彼女が、まだ、高校生の夏に出会った。
「バイト先決めたの?」
「うん、まだ」
「今、探しているところ」
「純子は、働き者というか苦労性ね?」
「しょうがないよ」
「うち、サラリーマン家庭じゃないしね」
「久美子が羨ましいよ」
「両親しっかりしているしね」
「そう、結構、うるさくて」
「うるさいくらいが丁度いいのよ」
大杉純子の家庭は、自営業の魚屋である。
純子は、家庭の事情もありバイト先を探していた。
許斐久美子は、サラリーマン家庭であり、お父さんが、支店長であり、かなり家庭に恵まれている。
でも、純子は、そんな久美子のことを妬むことはしなかった。



「おはよう」
「ねえ、いいバイト見つけたよ」
「一緒に、働かない」
「駅前のファミレス、今、募集しているよ」
「本当?」
「駅前なら、いいね?」
「それに、駅前は、京葉大学の近くだよ」
「いい彼氏もゲットしちゃおうよ」
「無理、あそこは、名門だよ」
「うちみたいな、公立相手にしないって」
「久美子は、美人だし、狙えるんじゃなくて」
「私は、無理だよ」
「美人じゃないし」
「でも、バイトの電話はするわ」
「OK」
「じゃ、私が、電話してみるから、久美子も電話してみて」
「おはよう」
「おはよう」と、岡本信子が声をかけてきた。
「久美子と何話していたの?」
「うん、バイトの話だよ」
「え!」
「バイト!」
「どこ?」
「駅前のファミレス」
「駅前?」
「京葉の近くじゃない?」
「うん、そうだけど」
「私も、乗った」
「久美子と純子と私とで、働こうよ」
「いいけど、面接3人受かるとは限らないよ」
「悪いけど、私は、面接私だけ受かったら、働くわ」
「うん」
「じゃ、電話番号教えて?」
「うん」
「久美子が知っている」
「あ」
「久美子、バイトの電話番号教えて」
「何?」
「信子もやるの?」
「もちろん、だって、京葉の近くよ」
「やるに決まっているじゃん」
「もう、信子も、京葉目当て?」
「まったく、純子くらいね、純粋にバイト考えているのは」
「そうゆう、久美子も京葉目当てしょう?」
「まあ、そうだけどね」
「3人で、名門彼氏作ろうよ」
「また、信子まで、うち、公立よ」
「名門が相手すると思う?」
「まあ、2人とも頑張ってね!!」
「私は、稼げればいいから」
「もう、青春してないな」
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