小説

□あなたに出会えて本当によかった
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君は、今でも、覚えていますか?
あの、甘い切ない気持ちを?


「あの子だろう?」
「いつ、声かけるんだ?」
「修一?」
「ああ」
「まだ、チャンスがないだけだよ」
「あの子、俺好み、俺も、立候補しようかな?」
「絶対、抜け駆けするなよな!!」
「いいな!!」と、修一は、健二に言い放した。
それから、一週間後の電車の中で、彼女に会った。
彼女、痴漢被害にあっているようだった。
「おい!!」
「やめろよ!!」
「警察に突き出してやる!!」
「俺は、何も、していない!!」
「嘘つけ、一部始終みていたぞ!!」
修一と健二は、犯人を捕まえて、駅員のところに連れて行った。
「大丈夫?」
「ありがとうございます」と綾は、震えていた。
「怖かったでしょう?」
「はい」と、綾は、泣き出してしまった。
「可哀そうに」
「僕、北村修一と申します」
「僕、河村健二と申します」
「私、本条綾です」と、泣きながら言う綾の手を握りしめた。
「大丈夫?」
「はい、ありがとうございます」
「君のこと、いつも、見ていたよ」
「え!!」
「私のこと?」
「うん」
「いつか、声かけようと思っていた」
「こんな形で出会うとは思わなかったけど」
「もう、男の人怖くなった?」
「私、あまり、男の人得意ではないですから」
「何かあったの?」
「よく、痴漢にあうし、あまり、いい思いしたことないから」
「そうなんだ」
「それじゃ、俺たちが、君を守ってあげるよ」
「じゃ、友達からでいいから」
「これ、僕のアドレス」と、修一が手渡すと、健二もアドレスを手渡した。
「ありがとうございます」
「また、電車で、被害あわないように、僕たちが守ってあげるよ」
「なあ」
「健二?」
「ああ、もちろん」
「じゃあ、これで、会社にいきますから」
「気を付けてね」
「大丈夫、行けるの?」
「はい」
「僕たちも、会社に行くよ」
「ちなみに、これ」と、会社の名刺を綾に渡した。
「はい、ありがとうございます」



「おはよう」と、健二が綾に声をかけた。
「おはようございます」
「昨日は、ありがとうございました」
「昨日、言い忘れましたが、私、丸井商事に勤めています」
「ああ、そうなんだ」
「丸井商事さんなんだ?」
「北村さんと河村さんは、名刺見ましたけど、クリエート証券さんなんですね?」
「凄いですね?」
「私、営業事務しています」
「僕と 健二は、同じ大学の友達」
「京葉大学出身です」
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