小説

□Motherからあなへの愛
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たかぼうこと、兄貴、孝之は、おとなしいいい子だった。
私は、祖母にも、可愛がれてなかった。


月日たち、まゆみは、高校生になった。
「入学金かからないけど、どうせなら、全額ただならいいのに」
「特待生って何?」
子供の私には、わからなかった。
「わからない」
「そう」
「もう、高校生なのだから、自分で稼いで、学校卒業しなさいよね!!!」
「わかっている、今、バイト探しているから」
これから、地獄の始まり。
まゆみは、予想もしていなかった。
「本当に、バカ校のくせして高いわね!!!」
「早く、働いてよ」
「家のことも、ちゃんとしなさい」
「いいわね!!」
「はい」
紀子は、ヒステリーをよく起こす、凄く、気分にムラのある人だった。
だから、まゆみは、母が怖かった。
まゆみの下に、弟がいる。
紀子は、お弁当も作らない。
いわゆる、いいお母さんではない。
まゆみは、兄の孝之のお弁当も作って、朝、早く起きて、お弁当作りして、毎日、学校へ通った。
「あ〜なんとか、間に合いそう」
「兄貴のお弁当包まなくちゃ」
「大変、遅れる」
「急がなくちゃ」
毎日の日課、兄のお弁当を作ること、弟の朝ごはんの用意をすること。
紀子は、母らしいことはしなかった。
「お姉ちゃん、学校遅れるよ」と、修二が言った。
「今日は、これを食べて」
「じゃ、お願いね」
「いってきます」
「いってらしゃい」と、修二が笑った。
そう、まゆみは、弟の面倒もみて、兄の面倒もみていた。
まゆみは、高校では、成績上位だったが、紀子も秀雄も、馬鹿校扱いだった。
まゆみは、親に認めてもらえるように、頑張った。
バイト先も見つけた。
いきなり、仕事多く入れた。
シャルルという喫茶店で、働いた。



「いらっしゃいませ」
まゆみは、勤務態度も真面目だった。


「お先に失礼します」
「お疲れ」

制服姿のまゆみを見て、男性社員がざわめいた。
「可愛いね」
「はい、制服は、可愛いですけどね」
「顔が・・・。」
「お先に失礼します」
「お疲れ」


「お疲れ」
道ですれ違う人に声をかけられた。
「あ!!!お疲れ様です」
「ところで、あの人誰?」と、独り言を言った。
まゆみの知らないところで、有名だった。



「ただいいま」
「何やっていたの!!!」
「バイト」
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