小説

□俺の嫁
2ページ/10ページ

通学路を曲がる瞬間、自転車にぶつかった。
「きゃ〜!!」
「お!!」
「アブねえな!!」
「何よ!!」
「そっちが悪いんでしょう?」
「お前が、とろとろしているからだろ」
「じゃな!!」
「急ぐから!」
「ちょっと!!」
「待ちなさいよ!!」
「怪我人ほっとくなんて」
「どういう奴!!」
「むかつく!!」


「大丈夫?」
「怪我してない?」
「あ!!」
「ありがとう」
「絆創膏あるよ」
「つけてあげる」
「あ!!」
「僕、伊勢竜太です」
「よろしく!!」
竜太が楓に手を差し出した。
「こちらこそ、よろしく」
2人は、手を握った。
「その制服、流星高校だよね?」
「うん、そうだけど」
「伊勢君も、流星なの?」
「うん、そうだよ」
「私、新入生の加賀楓と申します」
「よろしく」
楓が竜太に手を差し伸べた。

「遅刻するよ!!」
「急ごう!!」
「うん」
楓は、ウキウキしていた。


「キンコーンカンコーン」
チャイムが鳴った。
「加賀さんと同じクラスだ」
「あ!!」
「よろしく!!」
教室に入ると、そこには、さっき、ぶつかった男の子がクラスにいた。
「あ!!」
「あんた!!」
「よくも、ぬけぬけと!!」
「謝りなさいよ!!」
「ほら、もう、チャイムなっているぞ!!」
「静かに!!」
「はい」
「まずは、自己紹介をしてもらう」
「右から」
「新城中学から来ました、加賀楓です」
「え!!」
「加賀楓?」
「どうした?」
「河村?」
「あ、いいえ」
「何でもないです」
「北上中学から来ました、伊勢竜太です」
「よろしくお願いいたします」
「協立中学から来ました、河村修です」
「よろしくお願いいたします」
「え!!」
「河村修?」
「修君?」
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ