徒然会話・小話。（アナザー大罪）
□続・こわいひと
1ﾍﾟｰｼﾞ/2ﾍﾟｰｼﾞ
夢「ーーーーということでお里に帰れないらしいです」
朔馬「…………ハァ？（めっちゃもう“ハァ？”て。“ハァ？”て感じの顔w若衆の修行見てたらしく修練場の隅で夢さんに振り返りつつ目顰めて眉間に皺寄せた）」
若衆たち「……………？」
「……なに？何があったんだ？救世主なんの用事？」
「さぁ……」
朔馬「（視線他所向けて）…ったく…バカなのアイツ。何が “帰る資格が無い” だあのバカぴよめ。ホント……毎度毎度……（チッ…て舌打ちw）」
夢「……（そんな朔馬をじーっと）で？どうするんですか。お迎え。来られます？」
朔馬「行くしかねぇだろそんな事言ってんだったら。…ったく世話のかかるヤツ…（溜息）」
夢「ならお願いします」
恭「……何？どうしたんだよ朔兄ぃ姐さんになんかあった？」
呉葉「…………」
朔馬「………別に？大した事じゃねぇよ。毎度馴染みの…」
夢「（かくかくしかじかで）お里に帰れないと結さんにしがみ付いているんです。何とかしてあげてください」
恭「は？」
呉葉「…………………（呆れたお顔）」
朔馬「……バカだろ？アイツ」
恭「いやバカっていうか…姐さんも毎度、変なとこ気にするよなぁって。資格もなにもここ、姐さんの家じゃんか。家に帰るのに資格とか要んのか？」
夏柝「いや別に…要らないとは思うけど…でも姐さん、里のこと “怖い” って思っちゃてる…んだよね？そこはどうするの朔兄ぃ？」
朔馬「別に？何もしねぇ」
夏柝「へ？」
夢「……………」
朔馬「アイツがそーゆーの苦手なのは百も承知だし怖ぇモンを怖ぇって思うことは仕方のねぇこった。………怖がらせて悪かったなってのは、思うケド。ケド俺らもそれなりに理由があってそういう面見せてるワケだしそこも仕方ねぇ。極力見せないように努力はしてっケドな」
夢「あまり出来てはないですよね？結構頻繁にお見受けしますけれども。群青義兄様が怖いお顔なさってるところ。若草姐様の絡み限定で、ですけど」
一同（加えて無茶ばっかするしな…毎度毎度。朔兄ぃ姐さんの事になると途端周りが見えなくなるから…まぁ当然っちゃ当然だけど）
朔馬「…………（思い当たる節が多過ぎるw）仕方ねぇだろウザってぇ連中がやたらと多いんだから。アイツもアイツで相変わらず自己犠牲にばっか走りやがるし。やらざるを得ないんだよアンタになら分かるだろ？」
夢「ええ分かりますとも。私が群青義兄様の立場でも同じことしますしね。怒りますよ私も身内に手を出されたら」
恭「…けどなぁ……つってもやっぱ、姐さんが “俺たちに” 怖がってるってのはあんま…良い事ではねぇよなぁ…。他でもねぇ俺たちが姐さんのこと怖がらせるとか論外だろ、元も子もねぇ」
夏柝「稼業に関してはどうしようもないけどね。生業だしさ」
恭「まぁそこはな。問題はその他の厄介事だよ、毎度毎度。ほんっきうざってぇ…反始まりの鬼派だの綻び狩りだの、お前らもういい加減学習しろっつーの！なぁ朔兄ぃ！？」
朔馬「ホントにな」
呉葉「…思慮の足りん頭の腐った輩が後を絶たんからな。こちらとしても度々神経を逆撫でされて迷惑千万だ。頭の弱い輩の相手をするというのは本当に疲れる（うんざりとした溜息）」
夢「……溜まってますね」
恭「溜まりもするわ」
夢「同じくですけど」
朔馬「……ま、ここで連中の愚痴ばっか零しててもしょうがねぇわな。取り敢えず俺アイツのこと迎え行って来るから。後任せたぞ恭、呉葉」
恭「合点！」
呉葉「…（コクリと頷いた）」
「………けどさぁ…正直。里で怒ると怖い一番って誰なんだろうな？やっぱ朔兄ぃ？かな？（ボソ）」
「そこはまぁ鉄板…（ボソ）」
朔馬「………ナニ？（ニヤ）」
「！！何でもないです！！（ほらみろやっぱ怖ぇ！寧ろ普段から怖ぇ！殺されそう！💧）」
恭「（そんな若衆らの気持ちが手に取るように分かって軽く苦笑い）まぁ怒った時は誰だって怖ぇけどなー。そっちの見解では誰だったんだ？救世主の姉ちゃん。誰の名前挙がった？」
夢「あなたも挙がりましたよ。金茶のおにーさん」
恭「へ？俺？」
「？そこちょっと意外…だな。恭兄ぃはあんまし怒んないよ。ふざけて怒ることは良くあるけど別にあんまし怖くないってゆーか…」
「寧ろ怖くない？」
「「それ」」
恭「お？言ったな？上等じゃんかお前ら」
夢「あと若草姉様の言う“浮ちゃん”さんですか。私はあまり面識ありませんけど若草姉様曰く怒ると怖いって」
「！！そこは鉄板！鉄板！浮里姐さんは本気怖い！」
「最悪雷と一緒に張り手飛んでくるもんな。怒号付きで」
「浮里姐さんの張り手喰らったら向こう四、五日は手形の跡取れないんだぜ…もう真っ赤に腫れてさ…ずっとじんじんヒリヒリ。」
「張り手とは思えない音轟くもんな、叩く瞬間」
「玄斎様ですら浮里姐さんに睨まれたら蛙みたくなるって聞いた。一睨みで黙る、って」
朔馬「事実だぞソレ（笑）アイツは紛れもねぇお局だよ、この里のな」
夢「ああ、その里長様もお名前挙がってました。怒ったら怖そうだという印象は私もあります」
恭「あー玄斎様は普段が普段だかんなぁ…怒ったら、っていうか。普段からやっぱ…他とは一線画してるっていうか。言って頭領だし俺も玄斎様相手にはさすがに…冗談とかあんま言えねぇかな」
「俺今でもやっぱ玄斎様に目の前に立たれたらちょっと緊張する…かな…勝手に背筋伸びる」
「分かる。何て言うか…雰囲気？ていうのかな？真面目にやんなきゃーって気にさせられる」
朔馬「はぁ？どこが。爺さんが怒ったところで怖くもなんともねぇだろーが。単に大声出して怒鳴りつけて来るだけなんだし」
夏柝「それ朔兄ぃだからだよ（笑）俺達には無理だよ玄斎様相手にあんな対等普通に話すなんてさ。やっぱ一線引いちゃうよ」
「歳いったおやっさん達だとか姐さん達は普通に話してるけどなー。俺も無理かな」
朔馬「…別に何て事のねぇ見てくれだけがゴツいただのジジイだぞあの爺さん。孫ひ孫に毎度鼻の下デロデロと伸ばしてる様な単なるジジ馬鹿だ、見ててアホらしくなってくるくれぇの」
「……それよくおやっさん達も言ってるけど…本当なの？朔兄ぃ。想像付かなさすぎていまいち信じられないんだけど…あの玄斎様が？って」
朔馬「ホントだよ。今度若草なり兎（芽吹ちゃん）なりが屋敷来てる時覗きに来てみろ。結構な頻度で爺さんのクソ締まりのねぇツラ拝めるから（笑）」
「…それ見ちゃったら見ちゃったでなんか…後々困りそうな気もする。その後玄斎様に会ったらどんな顔していいのか分かんなくなるかも…」
「確かに…」
恭「…他は？誰か居るか？怒ったら怖そうな系…」
夢「……あ。そう言えば…」
「？」
恭「…お？まだ誰か名前挙がったか？」
夢「あなたも言われていましたよ。菖蒲さん？ですか」
呉葉「……」
恭「…菖蒲って…確か紫陽花童が呉葉のことそう呼んでたっけな…なに？お前も？どこがだよこいつ無愛想なだけだっつの！怒ったらとかじゃなくていーっつも。普段からなんかやたらと勝手にキレてやがるし。常に機嫌悪ぃの」
（…それ…呉葉兄ぃは常に怒ってる。その表現一番適切）
（話しかけづれぇもんな呉葉兄ぃ…話しかけただけで睨まれそうだしさ）
夏柝（…そうかなぁ…？呉兄ぃぶっきらぼうなだけで別に普通に…いやまぁ言い方とかはあれだけどでも結構話せば普通に会話は出来るけどなぁ…え？俺だけ？）（きょとーん）
呉葉「……煩い黙れ。貴様のような小煩い馬鹿の相手をするのが心底嫌で仕方がないだけだ。その頭の弱そうな顔を見ているだけで疲れてくるからな（じろ）」
恭「ほらみろ！これだよ！聞いたかこのいきなり喧嘩売ってくるこの口！性格の悪さ！毎回毎っ回口開いた瞬間ひと小馬鹿にしてきやがってよ！おめぇ何様だっつーの！」
呉葉「ふん。煩い。馬鹿が吠えるな」
恭「んだとこの……！！」
夢「……まんっまですね。まんまそれ同じようなこと巫女様が言ってました」
呉葉「……（ぴく、と反応した）」
恭「…お？何？巫女さんて…未来読みの姉ちゃんか？何て言ってたんだよあの姉ちゃん呉葉のこと（笑）」
夢「“あの“妖怪朔兄ぃ”は常に怒っているからこわいひとの中には入らない”、と。“常に朔兄ぃ朔兄ぃとばかりで語弊力はどこに埋葬されたのか” と、そう仰ってました」
呉葉「………！（怒りスイッチ入って目見張ったw）」
恭「ぎゃはははははは！！！（爆笑）い…っ言われてやんのおめぇ！“妖怪朔兄ぃ” だってよ腹痛ぇ！！やっぱ面白ぇわ巫女の姉ちゃん最高かよ！！！」
呉葉「……っ…！煩い！！」
朔馬「……………（とっても複雑そうなお顔w自分の名前がその命名の中に入ってるのが嫌でしょうがないらしいw）」
呉葉「…っ毒女が……！！ひとの居ない所でそんな…馬鹿にしているのか！！不愉快極まりない即刻叩っ斬ってくれ……！！」
恭「おっ…落ち着けよ、“妖怪朔兄ぃ”w（まだヒィヒィ涙浮かべながら笑ってるw）それ至言だって反論の余地ねぇよおま…wあー腹いて……w」
呉葉「黙れ！！」
夢「…あ、それとあと……」
呉葉「！」
恭「……っ。（ぷっ）」
朔馬「……まだ何かあんのか」
夢「ありますね。“いつか“朔兄ぃ”って単語ひとつだけで会話し始めるのではないのか” と。心配してました」※心配はしておりませんw
恭「ぎゃははははははははは！！！！！！（大爆笑）」
呉葉「〜〜〜〜〜！！！！（もはや言葉が出ないw）おのれ未来読み！！！（ブチギレw）」
朔馬「……落ち着け。アイツにそこまで言われるってお前相当だって事だよ呉葉。お前ホント…早いとこ俺離れしろよ。何か俺まで言われてる気分になって真剣複雑なんだケド」
呉葉「！！（朔馬からの言葉にはめっぽう弱いからちょっとガーーン。て。頭冷えたw）」
恭「……っっ（ひー、ひー。）ダメだもう俺……息苦し……www」
夏柝「…ちょっと笑い過ぎだって恭兄ぃ。また呉兄ぃがキレる前にもうその辺にしとけば…」
「……じゃあ結局……誰なんだろうな？この里の中で一番怒ったらこわいひと。敢えて一番付けるとしたら…」
「……誰だろな…今名前挙がったひとの中で、だろ？真剣に怖いって考えたらやっぱし…（ぼそ）朔兄ぃ……？」
朔馬「………………（何かを思ってるお顔）」
「…浮里姐さん…は、怒ると怖いけどでも、怒り方がなんか…“おかあさん”、だし？冷や汗かくって意味ならやっぱり…朔兄ぃ…（ぼそ）に、なるのかな？血の気引くって意味で…」
「機嫌悪いだけで血の気引くけどな色んな意味でさ……（ぼそぶるっ）」
朔馬「………………（お前らひとり忘れてるぞって言いたい）」
「……………、あ……（ハッとしたお顔）」
「？どした？まだ誰か居た？」
「……いや……。……実際に怒ってるとこ、見た事あるわけじゃないんだけどさ。意外性ってな感じで。“見たことはないけど正直怒るとめちゃくちゃ怖いんじゃないかな”ってひとならひとり居た……」
「？誰？まだ居る？怒ったらこわそうな感じのひと…」
「………………右京さん。」
「「…………………」」
「……………。え？は？右京さん…？え……？」
「…俺右京さんが怒ってるとこ見たことないぞ？いっつも物静かで……」
「俺も。あのひと怒る事とかあるの？寧ろ何やっても怒らない印象しかないんだけど。強いてやって “注意” ってとこくらいまでしかしないよな？制止する感じで。右京さんが声張ってるとことか想像つかない…」
呉葉「……………（何かを思う表情）」
恭「……右京の旦那かぁ…俺も生まれてこの方見た事ねぇなぁ。旦那が怒ってるとこ…」
「……でも…さ、確かに。右京さんに何かしら注意とかされたら素直に “はい” としか言えなくないか…？反抗出来ない感じ。それってさ、ある意味…本能的に “怒らせたら不味い” って、俺らが無意識に感じてるって事…？」
「あー…それあるかも。あれかな？普段温厚なひとほど怒ると人一倍怖いって法則。まんまそれ？」
「…想像付かないだけに逆に怖い…って、感じもするよな…それこそ他なんて比べ物にならないくらいにさ」
「…あー……」
朔馬「…………正解だお前ら」
「へ？」
夢「……………」（結果ご存知）
恭「………え？マジで？」
朔馬「この里で一番怒ったら怖ぇの右京だよ。普段はあの通り怒ることなんてそれこそねぇケドな。アイツだけは絶対、怒らせんな」
夏柝「………見たことあるの？朔兄ぃ。右京さんが怒ったとこ……」
朔馬「あるよ。たった一回きり。しかもまだそん時も本気で怒ってはねぇ片足踏み込む前くれぇのとこだったケド。正直、俺も血の気引いた」
「！？」
恭「……え？朔兄ぃが血の気…え？マジで…？（汗）」
朔馬「マジ。」
「………………（絶句）」
朔馬「…俺が誰かが怒りかけてる姿見て “怖ぇ” なんてこと素直に思ったのアイツが初めてだったよ。ホント…アイツは怒らせたくねぇわ（溜息）」
恭「…………朔兄ぃがそこまで言うって……どんだけだよ。どんだけ怖ぇんだよ右京の旦那が怒ったら……」
朔馬「取り敢えず山全体が揺れるとだけは言っとく。アイツの気でな。まぁ例え話だケド」
「…………………」
ーーーーーーーーーーーー
そして旦那は嫁を迎えに行きました、と。ごめん無駄にちょっと長い！長い上にまとまりないわつまんないわで申し訳ないよー！京ちゃんのお迎えはまた今度だな！www