赤毛の彼

□第1話
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『いらっしゃいませ』

いつもの営業スマイルにマニュアル通りの台詞で、そいつを迎えた。


「お願いしますぞ、と」

奴は、そう言って買い物かごをレジカウンターに置いた。

初めは変わった口癖の方だなぁっとしか思ってなかった。

無言でレジをこなしていると奴が声をかけてきた。


「なぁ、バイト何時に終わるんだぞ、と?」


突然の発言に心のなかで動揺しながらも冷静で対処する。


『貴方には関係ありません。
それより、お会計の方をお願いします』


「関係あるぞ、と。
だって、一緒に昼飯でも食べに行きたいからだぞ、と。
確か、そろそろ終わるはずだぞ、と?」


『…ッ!?』

何故それを知ってるのだろう…。と私は強く思った。

それに気づいた奴は、ニヤリと笑う。
クッ…見た目は凄いカッコイイ人だから思わずときめく自分に腹がたった。


「その顔は、何で分かったって顔だな、と?
当然だぞ、と。いつもお前の事を見てるからな♪」


『えっ…!?』

思わずストーカーと叫びそうになる口を両手で塞ぐ。

んっ…確かにその赤い髪。
いつも私が行くところで見かけるっ…。

『…って、確かに私の行くところにいつも居たー!Σ( ̄□ ̄;)』

ヤバイね、思わず行動が連発だよ。
しかも大声で本人の目の前で言っちゃったからね。


end…。
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