お題
□冬ー 降り注ぐ白に
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純白無垢のーーーいや最近は色々と汚いものを吸っているらしいが、一応色的に純白の雪が目前を、今先ほどこの瞬間つけている足跡でさえも無にしていく。
まるで自分などもともといなかった存在であるかのように。
そうであることを強調し、言い聞かせるように。
両親はいない。
兄弟もいなければ、姉妹もいない。
正確に言えば、両親はいたけれども両方死んだ。
両方。同時に。交通事故。
即死だった。
中途半端なことに当時俺は小学6年と中1の境目で。
つまり一人暮らしできるかできないかの瀬戸際。
父方の祖父・祖母は既に他界していて、母方のじいちゃん・ばあちゃんは老人ホーム暮らし。
こどものいる叔父・叔母の家にお邪魔するのも悪いので・・・・・というのは嘘で。
本当は少しだけ期待していたのだ。
「一緒にすまない?」
その言葉を。
結局は同じ結末だったのだろうがーーーーーだって気まずいし。
結果が全てのこの世の中、過程に執着するのは子供なのかもしれないが。
つまり俺は子供で、あの人達は、
「しっかりしてるから一人暮らしで大丈夫よね?」
俺を大人と判別して投げ出した。
何だか本当に投げ出された気分だった。
ポイされた。
まぁ、俺は過程に執着する程子供であったが、そこで喚く程ガキではなかったので、素直に頷いたわけだが。
誰が一人で大丈夫だって言った。
未だに執着しているのである。
これ程子供であるのにいざという時に喚く程子供になれない自分が憎い。
変なプライド程自分を縛るものはない。
そんなことは痛い程、それこそ知識としては知っているはずなのに。