dream★
□□死にました
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少し風が冷たくなってきた10月の朝、ビュービューと風の吹く中を1人の少女が自転車で全力疾走していた。
「ぎゃあああああ!遅刻する!先生に殴られる!」
あかん!今日遅刻すると殴られる+反省文やん!紫音大ピンチ!誰か助けてええええ!
「はっ!今チャイム鳴ってる!?おっしゃあああ!間に合う!」
そう叫びながら、紫音は門をくぐる。
「間に合ったでええ!今日はやってやったへぶっ!いたあああああ」
「はいはい、間に合ってないよー今のチャイム1時間目の始まりのチャイムだからねー」
くっそこのクソ教師、私の頭思いっきり叩きやがった!え、今この教師なんて言った?1時間目の始まりのチャイム!?んなアホな!
「残念紫音さん今日反省文だね!」
「うぇえええ!?」
くっそううううう!!何故だああ!しかもこのクソ教師、何で嬉しそうにしてんだ畜生!
「あー肩こった・・・」
何とか反省文を倒し、教室へ向かいドアを開ける。
「あ!紫音!!何?また遅刻??」
「そうだよ、まただよ、何か文句あるか!?」
教室に入ってすぐ声をかけてきた、幼馴染である亜紀の言葉にイラッときて喧嘩腰で返す。
「イライラしてるといいこと無いぞ!ほら笑え!紫音は可愛いんだから!」
「何かテンション高いな!!気持ち悪!」
亜紀のいつもと違うテンションに若干引きつつ、自分の席へ座る。
「気持ち悪いとは失礼な!今日、彼氏とデートだから舞い上がってるだけよ!」
「はいはい、リア充腹立つな」
彼氏のいない私は、亜紀が少し羨ましい。
「紫音も彼氏作ればいいのにー、この前も告白されてたじゃん!」
「私はイタク一筋だから!イタク以外ありえないから!」
そう、私は二次元に恋しちゃってます、相手はぬらりひょんの孫という漫画の鎌鼬の妖怪。
「あぁ、イタクかっこいいよね!でも私はリクオ派だわー」
亜紀もぬらりひょんの孫が好きで、亜紀は主人公の奴良リクオが好きだ。
「あー会ってみたいなあ、イタクのバンダナ欲しいなあ…抱き着きたいなあ…」
「紫音ってさーイタク絡みになると急に変態になるよね。」
私も変態という自覚はある。まあ、好きゆえの行動というやつですよ。
「ん?え、授業全部終わってんじゃん!」
段々人が減ってるな、とは思ってたけど!その前に私反省文にどれだけ時間かかってんの!?
「え?今更何言ってんの?」
亜紀は呆れたように私を見て、鞄を持って教室から出ようとしていた。私も慌てて亜紀を追って、教室を出た。