dream★
□■出会いました
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此処は東北遠野――「妖の里」と呼ばれる隠れ里、そこにひとつの大きな雷が落ちた。
ピシャアアアン!!!
「うわぁ!なんだ今の音!雷か!?イタク!見に行こうぜ!」
物凄い雷の音を聞き、あまのじゃく≠フ淡島が鎌鼬≠フイタクに様子を見に行こうと促す。
「あぁ、そうだな、火事になっていたら大変だから雨造も連れて行くぞ。」
「それもそうだな!おーい!雨造ー!!」
イタクの提案に乗った淡島は、沼河童≠フ雨造を大声で呼ぶ。
「なんだ?淡島、オイラーを呼んだか??」
淡島の声を聞いた雨造が少し遠くから走ってきた。
「おう!今、すごい雷落ちただろ?その落ちたところが火事になってるかもしれないから、イタクと見に行くんだけど、お前も行こうぜ!」
「あの雷か!おう!オイラも行くー!」
説明する淡島に、興味津々に答える雨造。
「よし、じゃあ行くぞ!」
「「おぉー!!」」
イタクの声に元気に返事をする淡島と雨造。そして3人は雷の落ちた森へと走る。
「おい!あれ!なんか煙上がってんぞ!」
「うわ!本当だ!」
「チッ行くぞ!淡島、雨造!」
少し黒い煙の上がっている方角へと急ぐ3人。
「ついた!あれ?もう火は消えてるな・・・」
「本当だ・・・」
3人がついたころには火は消えており、木が2、3本黒く燃えてつきていた。
「地面が黒く焦げちまってる・・・おい!あそこに誰かいるぞ!!」
イタクの言葉に2人は素早く反応し、身構える。
「おい、お前何して・・・こいつ寝てねぇか?」
「は?んなわけ・・・寝てるな。」
「すんげぇー!」
淡島は呆れながら、雨造はゲラゲラ笑いながら、立ったまま寝る少女を見る。3人は警戒を解き、少女を起こそうとした。
「おい!お前起きろ!」
イタクが軽く肩を揺らす。
「嬢ちゃーん起きろー?」
「起きないと食っちゃうぞー」
淡島と雨造は少女に声をかける。だが、起きる気配はない。
「・・・どうする?イタク?」
「連れて帰って赤河童様の指示を仰ぐか・・・」
「そうだな!じゃあこの女の子オイラーが運ぶ!」
眠ったままの少女を雨造が運び、3人はこの里の長の下へと急いだ。