†mainU†

□目覚めし惑う心
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あの時

戦場で聞いたローエンの言葉を聞いたとき

アルヴィンの中で心に引っかかっていたことが解消された

それは

『何故ジュードはあれほどのマナを消費しておいて普段通りに行動可能なのか』

といった所だろう

その筆頭として、カラハ・シャールやガンダラ要塞が上がるだろうか

あの時

クレインが毒矢に打ち抜かれたとき

ジュードは膝が崩れ落ちるほどのマナを消費していたではないか

それなのに、ほんの少しの休息だけでいつも通りの動きを見せていた

ガンダラ要塞の中心部でローエンの指揮下、制御装置にマナを注いだ後、大怪我を負ったミラに寝ずの治療をしたと聞く

その時は、大したお人よしだな。と思って聞いていたものの、今考えなおしてみるとどれほど人間離れしたことか。

他にもいろいろ疑問はあったが――――

それは、全て一世代増霊極が関係している、とすれば説明がついてしまう内容だったのだ



「ジュード」

ア・ジュール兵によって押し込まれた馬車の中、アルヴィンはいまだ意識を取り戻さないジュードの名前を呼ぶ

ジュードは何の反応も見せず、死んだように眠っていた

「お前は、何を背負うことになるんだろうな…?」

誰にも聞こえないように小さくつぶやく

そうして、アルヴィンは愛しそうにジュードの髪を梳いて行った













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