二人の協奏曲
□プロローグ
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冬。
シャイニング事務所の寮で過ごしていると、社長が珍しく普通に部屋にはいってきた。
真剣な話なのだろうか。
彼は言った。
「秋音サン、早乙女学園に通ってみまセンカー?」
◇
『早乙女学園って…社長が学園長のアイドル、作曲家育成の専門学校ですよね』
自分もよくレコーディングルームを利用させてもらっているから大まかな事は知っている。
「そうデース。たまには原点に戻るのもイイカモネ」
『…はぁ』
社長が直々に良いに来たんだ。これはもう決定事項なのだろう。
『言っときますが自分の目標は幼馴染みだけに曲を創ることですから、そこだけは忘れないで下さいね』
「…その幼馴染みがシャイニング事務所に入れれば忘れないであげまショー」
…忘れる気満々だなこりゃ。
『で、試験はいつです?』
決定事項だろうから、願書は既に出ているはず。
「秋音サンの実力はミーが一番良く知ってマース。だーかーら、試験は免除デース」
『…は?』
「春からSクラスに通ってもらいますからー。…そう、寮は一時、学園の方を利用してくだサーイ」
そして俺は早乙女学園に通うことになった。
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