二人の協奏曲

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社長の計らいで社長が学園長をしている早乙女学園に入学した。
社長にはプロであることを隠し通せ、と言われた。
しかし、仕事は取ってくるらしい。
俺はSクラス。聞いた話だと、トキヤもいるとのこと。
俺は教室のドアを開けた。

「あれ?秋音じゃねーか!久しぶりだな」
『…翔…?』

翔が居るなんて聞いてない。

「翔、秋音を知っているのですか?」

翔と話していたらしいトキヤがこちらへ向く。
翔は言った。

「幼馴染みみたいなやつだ。トキヤこそ、知り合いだったのか?」
「えぇ、色々ありまして」
「そうなのか?」
『俺としては翔とトキヤが知り合いだったことに驚いた』

そう言った俺にトキヤが答える。

「学説のときに。…そういえば秋音は居ませんでしたよね?」
『色々忙しかったからな』

正確にはここに入ることになったのは学説の後だったから。
そんなことを言える筈もなく俺は苦笑いでそう返す。
トキヤは俺が作曲家として活動しているのは知っている。
HAYATOに曲を創ることもあるから。
正直最近のHAYATOの歌い方は嫌いだが。

『翔。翔がいるってことは…那月もいるの?』
「あ、あぁ。あいつはAクラスだ」
『そっか』

彼の実力ならSクラスでもおかしくないのに。

…て、ちょっとまて。
那月は俺がプロなのを知っている。
事務所に入る前、どこの事務所に入るかは教えなかったがこの学園にいる以上絶対感づかれる。
たとえ那月が気付かなくとも砂月には…。
…社長、俺、生きていられるかわかりません。

『翔、俺がここにいることは絶対に那月には言うなよ』
「は?何で…」
『何でもだ!俺はまだ死にたくない』
「いやいや、訳わかんねぇよ」


俺の学園生活が始まった。


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