二人の協奏曲

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それは衝撃的な再会だった。

「待ちやがれ!」
『この状況で待つわけないだろ!』

俺は今、砂月に追いかけられています。

『さ、砂月ちゃん!落ち着いて話し合おう!?』
「お前が逃げなきゃな」
『だって砂月ちゃん、俺のこと殴る気満々じゃないか』
「良くわかってるじゃないか」

やーめーてー。
砂月に殴られたら俺失神どころじゃないよ死ぬよ!
砂月がスピードを上げた。




…遡ること、30分前。

移動教室の為階段を降りていたとき、下に那月が見えた。
俺は咄嗟にトキヤの後ろに隠れた。

「那月ー」

翔が那月に声をかける。
那月はこっちをみて、目をキラキラさせた。そして驚きに目を見開く。

「アキちゃん…?」

その瞬間、俺はトキヤに落とされた。

『は?…っ!?』
「あぁ、すみません。手が滑りました」

トキヤは笑っていた。
わざとじゃねーか!
そうこうしているうちに階段に投げ出された体はそのまま落ちていく。

「アキちゃん!!」

俺は那月にダイブした。

──カシャン

「どうしてそこまで四ノ宮さんを避けるのか。少々興味がありまして」

そんな理由で人を突き落とすな!
下手すりゃ死ぬ…。
それより今、カシャン、って…。
それは確実に、那月の眼鏡が落ちた音。
俺はおそるおそる那月をみる。

「…よう、秋音。久しぶりだな…?」
『さ、つき、ちゃん』
「所属事務所も告げないで消えやがって。覚悟は出来てんだろうな…」

そして冒頭に戻る。

砂月がスピードをあげたため、そろそろ限界だった俺はすぐに捕まる。
コンパスの差か…。

「やっと捕まえた」
『………』

逃れようと抵抗するも、もともと非力な俺が彼の馬鹿力に勝てるはずもなく押さえ込まれる。
覚悟しろよ、と囁かれ、彼の右手が動いたのを見た。くるであろう衝撃に耐えるように目をつぶれば、その手は予想に反して俺の頬をするりと撫でた。
不思議に思って目を開けるより早く、唇に軟らかい感触。

『………ぇ』

キス、…された…?
呆然とする俺に砂月はくしゃりと顔を歪める。

「…俺も那月も、心配、だったんだよ」
『………。…そっか、…ごめ…』


「見つけたーっ!!」


大声と共に翔が走ってくる。
あ、と思う間もなく、砂月に眼鏡がかけられる。

「……あれ?…アキちゃん!だ、大丈夫ですかぁ!?」

翔、少しは空気を読んでほしい。
俺は那月に大丈夫、と答え、何事も無かったように振る舞った。




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身長差は13pくらいと考えてます

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