短編+番外編

□原因不明
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それはそろそろ本格的に寒くなり、服の整理をしているときだった。

「痛っ!」

いきなり指に激痛が走り、俺は手を引っ込める。
数秒としないうちに痛みは引いたものの、何か違和感。
痛みの走った指を見てみると何かに刺されたような痕があり、そのまわりは熱を持ち、軽く腫れている…とまではいかないものの、むくれていた。
改めて衣服を整理しながら痛みの走った原因を探してみる。
紛れ込んでいた虫にでも刺されたのだろうか。
しかし、そんな姿はなく、棘や針なども見つからない。

「どうしたの、翔ちゃん?」

同室の那月が声を掛けてくる。

「いや、何か…急に指に痛みが走ってさ…」
「大丈夫?何か刺さったの?」
「そうかな、って思って探してみたんだけど、何もなくってさ」
「静電気とかじゃなくて?」
「そういうのとは違う痛みだった」

今は痛みはひいてるしちょっと違和感があるだけなんだけどな。
そう言えば那月は納得したのかしていないのか、不思議だね、って答えて自分の作業に戻る。

「あ、一応、絆創膏貼っておいたらどうでしょう」

戻ったと思ったら俺に絆創膏を渡してくる。
…しかもピヨちゃんの。

「普通の無いのか、普通の」
「えー、ピヨちゃん、可愛いじゃないですか」
「そういう問題じゃねぇ!」

しかし絆創膏はそれしかないので、仕方なしに受け取る。
しばらくすると腫れはひき、違和感も無くなった。

結局原因は何だったのか、よく分からない。


fin.

実体験です
服片付けてたらいきなり激痛が…
ほんと、なんだったんだろう
翔目線は結構書きやすい

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