Starry☆Sky

□Star.2
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今日は月子が部活があるようだったので、私は先に帰ろうとしたが、止められた。



「心葉も弓道してみない?」



部活の勧誘か、と突っ込みたいところだが、月子は気にせず私を道場へと連れて行く。


部活動事態この学校は盛んではないらしいが、なかなか活気のある弓道部のようだ。


道着に着替えるからと、私を道場に置いて、月子は体育館へと向かった。


男子だらけの学校だからまだ道場には女子更衣室がないようだ。


部員はまだ来ていないらしく、一人で突っ立ていると後ろから声をかけられた。



「君、一年生?見学に来たの?」



優しそうな笑顔をした人がいた。ネクタイの色で三年生だとわかる。



「…天文科2年に転校してきた、音羽心葉です。月子に…夜久月子さんに連れてこられました」



「ああ、夜久さんのクラスの。ごめんね、一年生と間違えてしまって」



「いえ。気にしてませんから」



月子より背が低い…といっても少しだけだけど。見慣れない生徒で背が低ければ一年にも間違うだろう。



「おまたせ心葉。部長!」



「やあ夜久さん。心葉君もゆっくりしていってね」



さっきの人は西洋占星術科3年の金久保誉と月子からのちに聞いた。



「先輩!こんにちは」



「こんにちは、梓君。紹介するね、うちのクラスに転校してきた音羽心葉。彼は一年の木ノ瀬梓君」



「初めまして。心葉でいいよ」



「初めまして。心葉先輩は弓道部に入るんですか?」



「…見学に来た」



「そうだ!心葉も弓引いてみようよ」



突発的なことを月子が言い出す。苦笑しながら弓と矢を受け取る。


引き方を月子と梓に教えてもらいながら的へと放った。


中心からはずれたが、的には何とか当たったようだ。



「心葉すごい!一発で当てちゃうなんて」



「心葉先輩やりますね」



「いやぁ音羽君、弓道の素質あるかもね」



いつの間にか誉先輩までいる。
素質か…






「今日はありがとうございました。月子も誘ってくれてありがとう」



あれから何回か弓を引かせてもらった。的に当たると結構楽しいものだった。



「いえいえ。またおいで。いつでも歓迎するからね」



「一人で本当に戻れる?」



心配そうな月子に大丈夫と告げて、弓道部員の人たちに礼を言ってからその場を後にした。





梓(心葉先輩か……)
誉(音羽心葉君か……)
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