薄桜鬼
□四章
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由美ちゃんが来てからもう3ヶ月が過ぎようとしている。
そろそろ桜が咲く季節に近付いている
屯所が騒がしくて明るくなったのも由美ちゃんのおかげ。
…土方さんの怒鳴り声も増えたけどυ
毎日笑って過ごす由美ちゃん。
だけど、毎晩布団から抜け出して縁側に座ってぼーっと空を眺めていることに気付いた
何かの言葉を並べながらしばらく夜空を見ている
いつもその背中を見ては切なく感じていた
だから今晩は思い切って声をかけた
「……由美ちゃん」
「!あれ、千鶴ちゃん起こしちゃった?ちょっと寝れなくて、」
「私も寝れないから横座っても良い?」
「どうぞー」
「さっきの言葉って何?」
「言葉?あぁ、歌のことか。私の時代にはね言葉を音に乗せて歌うの」
そう言ってまた歌い始めた
双子なのに王女と召使いに別けられ、暴君の王女の変わりに召使いの自分が処刑される歌
「……この歌はね、私みたいなんだー」
少し話聞いてくれる?
どこか遠くを見つめながら由美ちゃんはゆっくり話始めた。