薄桜鬼

□新章
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ピ、ピ、ピ、




規則正しい電子音が聞こえる中、ゆっくりと目を開けた。



「由美・・・?」



心配そうな顔で私を見る紗世ちゃんがなんだか面白くて少し笑えた。



「・・・ただいま」



「おかえり」




それからしばらくして私は退院した。


まさか両親が毎日のように様子を見に来ていたとは思わなかった。


あと、


「ねぇ、紗世ちゃん。もしかして私は・・・高校生?」


「正確には4月からだけど。高校生になるわね」


うそやん!


中学生活過ごしたの1年ぐらいでまさか寝て起きたら高校生て・・・


「そんなわけあるかい!」


「・・・そんなことがあるから今勉強しているんでしょう」


・・・はい。


寝ていた分の勉強を紗世ちゃんに教えてもらっているわけですが。


これがまた難しいのよね。


「でも、今から高校入れるとは思ってなかったよ」


とっくに高校受験は終わっている。


「まぁ・・・変な高校だから」


明後日の方向を見ながら紗世ちゃんは言葉を濁す。


なんでも雪村家だから入学できたみたいで、
変な高校と言いながら紗世ちゃんも同じ高校に通うみたい。


窓から見える桜の木には少しずつ蕾がつき始めている。


今までのことが夢だったんじゃないかってぐらい。



桜が咲いたら高校生・・・



「いつまでも外見てないで、早くこの問題終わらせるわよ」


・・・はい。





(スパルタですな)
(何か言った・・・?黒笑)
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