Starry☆Sky
□Star.2
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眠い…。
最近いや、前からだけど。春の温かな陽気のせいか、眠い。まあ、年中眠いけど。
今日の午前の授業は興味のないものばかりだったから、サボろうと外を歩いていたらグランドに沿って植えてある綺麗な満開の桜が目に入った。
木陰に入って寝転ぶと視界いっぱいに桜が見える。
帽子をしっかりとかぶりなおして、目を閉じた。
どのぐらい時間が経ったのだろうか。何かを呼ぶ声が聞こえ、徐々に現実へと引き戻された。
「おい!こんなところで何をしている」
うるさいなと思いながらも目を開けると、青色のネクタイが見えた。
「お前もしかして、夜久が話してた音羽か?」
「……誰?」
「俺は不知火一樹、生徒会長様だ」
へえ〜と相槌をうってまた寝ようとすると、止められた。
「サボりは生徒会長として見過ごせんな。生徒会室まで来てもらおうか」
警察かと心の中だけで思いながら、連行された。
あくびをしながら生徒会室に入ると、月子のほかに二人いた。
気付けばもう昼休みのようだ。
「心葉!どこいってたの?」
「こいつ桜の木の下で寝てたんだ。だから連行した!」
いや、ドヤ顔で言われても…
「紹介しよう。書記の夜久月子に、会計の天羽翼だ。で、そっちが副会長の青空颯斗だ!そして俺が「生徒会長様の不知火一樹先輩でしょ。さっき聞きました」…もう一回ぐらい聞けよ」
「心葉君は夜久さんの知り合いなの?」
「私のクラスの転校生なんです」
名乗るとよろしくと返された。どうでもいいけど、月子の周りには人が多いな。
「さて、サボり君には何をしてもらおうかな」
「会長!心葉に何をさせる気ですか!?」
「まあ慌てるな。まず茶を淹れてくれ」
まずってなんだよ、まずって。
月子に教えてもらいながら奥の給湯室に行き、お茶を淹れた。
生徒会の人に配り、最後に月子に渡した。
「……美味い。夜久とはまったく違う」
「心葉君は料理とか得意なんですか?」
「…お茶ぐらい料理は関係ないと思うけど。料理はできるよ」
「ぬー。月子のお茶も面白いが、心葉のお茶の方が好きだぞ」
会長たちの言葉に月子が反論している。…そういえば料理は全然ダメだって言ってたな。
「よし、決めたぞ!音羽生徒会に入れ!!」
また大きな声でうるさい。
……って、今なんて言った…?
「会長はそうやって勝手に決めますよね」
颯斗さん…そうは言いつつ、止めてはくれないんですね…
「ぬいぬいの言うとおりだ!心葉入れ!」
ぬいぬい…?翼も会長と同志向か!
残るは月子だ。私が唯一女子と知っている月子なら……
「いいですね!心葉が入ってくれたら嬉しい」
はい、そう来ると思ってました。
月子の嬉しそうな笑顔には弱いが、今回ばかりは無理だ。
正直人と関わりたくない。哉太達だけで手いっぱいだ。
「お断りし「転校早々にサボってたんだ。このぐらい軽い罰だろう」…」
不適に会長が微笑む。私には重すぎる罰ですよ。先生に減点されてる方がマシに思える。
だが、こんなにも期待のまなざし(特に月子から)を受けてると断りにくい。
大きなため息をつきながら承諾した。
一(音羽は颯斗と同じ副会長だ!)
(もう何でもいいです)