薄桜鬼

□四章
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私の家が道場なのは話したよね?


道場は代々長男が継いでるんだ。


必然的に私の弟が継ぐんだけど、体が弱くて結核……労咳を患ってた


だから………私は男として育てられたの


後継ぎとしてしたくもない木刀や竹刀握らされて、毎日男として過ごして…。


でも弟のためなら頑張れた




だけどね。




弟の病が治った途端、私は用済みになった。


女に戻って良いって言われたって、今更……


そんな時、弟が道路に飛び出したの

道路、道には便利な車輪の付いた鉄の箱?が走ってるんだけど、それに当たると良くて怪我、最悪死ぬんだ


それに轢かれそうだったから無我夢中で私も道路に出たの。


やっぱり大事な弟だし、家を継いでほしいから。


私はいらない存在だから死んでも誰も悲しまない。良かった、弟が無事で。私が消えて。


「良くない!」



いきなり千鶴ちゃんが叫んだからビックリして顔を上げると……泣いてた



「消えて…死んで良い人なんていないよ!」


「……そうだね。でも、死んだから今ここで千鶴ちゃんや新撰組の皆と楽しい日を過ごせてるんだよ」



確かにそうだけど……。そう言いよどむ千鶴ちゃんの気持ちもわかるよ。



「これから私はここで生きていくって決めたから。だから大丈夫だよ」



ギュッと抱き締めてきた千鶴ちゃんの背中を擦る



(うん…空気読めないけど…そろそろ眠いかな)
千(いつも起きて何してるの?)
(変わらない空と星見てた。とても綺麗に見えるから。……で朝起きれないんですすみませんでした)
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