小説
□scene1
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〜長谷川家〜
昴「ただいま」
美星「お帰り!ロリコンのホープ!」
昴「・・・ミホ姉なんでいるの?」
美星「なんでって、そりゃー遊びに来たからに決まってるじゃないか。・・・それより昴ぅ。昨日、電話でおねーちゃんから聞いたぞー。いやはや大変だったなー。」
昴「母さん、あれほどミホ姉にだけは何も言うなって釘刺しといたのに・・・・」
美星「にゃはは、無駄無駄。嘘とか隠し事とか、おねーちゃん超苦手だもん。期待するほうが悪い。」
昴「つーかミホ姉、学校はどうしたんだよ・・・?ようやくクビになったか?」
美星「なるわけないだろー。実はちよっと頼み事があって来たのだよ。」
昴「なんだよ!頼み事って。」
美星「えっとねー。あのさ、実は私、ちょい前に女バスの顧問になっちゃったんだ。成り行きで」
昴「・・・女バス?女子・・バスケットボール?」
美星「ルールも知らないのに、まいったまいった。で、だ。お願いというのは他でもない。なぁ中学全県ベストメンバー昴くん!うちの女バスのコーチをやってくれ!」
昴「・・・ふざけてんのか?」
美星「大真面目だよ。だいたいあんた暇なんでしょ?」
昴「・・・・ミホ姉。今俺がなんで暇なのか、母さんに聞いたんだよな?」
美星「聞いたよ。それが?」
昴「それがじゃねぇ!あんたんとこ小学校だろうが!!」
美星「・・・それが何か関係あるの?」
昴「は!?聞いたんだろ!?ウチの部長が・・・」
美星「小学生に手出したんだろ?・・え?もしかしてあんたも幼女を前にすると欲情が抑えられなくなるの?」
昴「Σそんなわけあるかぁぁ!!!」
美星「じゃ問題ないじゃん」
昴「面倒くさい、やらないからな」
美星「面倒くさい?」
昴「もういいんだよバスケは。・・なんか冷めた。」
美星「冷めた?もうバスケはやめるってこと?」
昴「・・・そうだよ」
美星「逃げるなよ!逃げるなよバスケから。面倒くさい?あんたみたいな四六時中バスケ漬けのバスケバカの台詞じゃないよ。あんたは冷めたんじゃない、怖いの。今までかけて積み上げてきたバスケの技術や名声を失うことが怖いの。だから燃え尽きたふりして、全部を投げ出して楽になろうとしてんの」
昴「うるさい!!何、勝手に人のことわかったような口きいてんだよ!!」
美星「じゃなんでそんなふうに必要以上にバスケから距離を置こうとしているのさ?」
昴「ミホ姉にはわからねーよ!!」
美星「ね、昴。私これだけはわかる。あんたはまだバスケできるよ。だからこんなとこで、こんなつまらないことで諦めちゃダメ!お願い1週間だけでいい。もう少しだけボールに触れてゆっくり考えてみて。それでも辞めたいって思うようだったら、もう私は何も言わないから。」
昴「1週間だけだぞ・・・」