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□just a game
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†プロローグ†


「…うゎーっ…! さっすがお金持ち…。」


とある休日。

ヒマだったえるは,いいかげん屋敷内の全容を把握するために…探索と称して、屋敷内を歩き回っていた。

そして…見つけたばかりの遊戯室に入り…


…冒頭の感想に至る。


部屋の中央近くには,一流メーカーのビリヤード台。廊下側の壁にはダーツセット。

窓際の角にはカウンター式のカジノテーブルがあり、その周りには休憩用なのか2〜3人用のテーブルセットが数客と、ソファーが配してある。

片側の壁一面は棚になっていて、芸術品のようなカード類やチェス盤、骨董品のようなボードゲーム類がディスプレイされていた。



…奥の方に大きな扉があって…開けてみると、和洋室になっていて、麻雀卓や囲碁、将棋盤、オセロやモノポリーなどのボードゲーム類、百人一首をはじめとするカルタ類など、ディスプレイもかねて収納されていたり、果ては大きなモニターに数種類のゲーム機と、ソフトが収納されているboxが見えた。



「…すごーい♪…もし全部遊べたら、何ヶ月もかかるんだろうなぁ…?
……これとか、どうやって遊ぶんだろう…?」

独り言を呟きながら気になった箱を手にとってみてみる……





「どうしたんですか?…こんなところで。」

声掛けられながら不意に肩をたたかれ、びっくりした私は…うっかり箱を落としてしまった!


箱は床に落ち…

中のカードが床に散らばる。


「…修一お兄ちゃん!……びっくりしたぁ……。」

「すみません。…おどかすつもりはなかったのですが…。通りかかったら、物音がしたので。…で、えるさんは何してたんですか…?」


私が落としたカードを拾い集めながら、笑顔で問いかける修一お兄ちゃん。
私も、慌てて拾い集めながら、経過を説明した。

「…で、この オリエンタルな絵の箱が気になって…どうやって遊ぶのかな〜? って思ってたら、修一お兄ちゃんに声掛けられたの。」


「…ふふっ。そうでしたか。
ここは…パーティーの時には、前室が開放されるのですが…。

…こちらの部屋は、子供の頃には兄弟みんな入り浸って遊んだものですが…
今はそんなに利用されてないですからね…。」


修一お兄ちゃんが、拾い集めたカードと箱をじっと見つめる。

「…えるさんは…花札、知らないんですね…?」

「…花札…?」

「はい。このふだのことです。昔からある日本のゲームですよ。」

手の中のカードと箱を見せながら、にっこり笑顔で答えてくれる 修一お兄ちゃん。

「なかなか、面白いんですよ。…僕も時間ありますし…
えるさんさえ良かったら、僕が教えますよ…?」

「…ありがとう。修一お兄ちゃん…。どうやって遊ぶんだろう?って思ってたから…嬉しい♪
…よろしくお願いします。」


二人笑顔で、向かい合った…。







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