血の夜

□集結
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AM1:52

俺は自室の窓に腰を掛け、外を眺めていた。
そこに見えるは神々しくも、儚げに輝くは美しい月。
それは、1ミリも欠けることなく光を放っている。

そう、今宵は満月。


俺は窓枠に足を掛けて外に身を乗り出し、勢い良く窓枠を蹴って外へと飛び出した。
当然だが体は重力に逆らえず、どんどん急降下していく。
だけど俺は焦らずに、


バサッ!!!


俺は漆黒の翼を広げた。
その姿はまさにVampire。


慈「んー...やっぱり飛ぶのは気持ちいいC〜。」


冷たい夜風を浴びながら、俺は目的地へと翼を羽ばたかせた。

そう、目的地とは教会。
かといって、結婚式何かを挙げる様な綺麗な物じゃなくて...どちらかと言ったら幽霊屋敷の様な小さな古ぼけた教会。
8年程前に使われなくなり、全くの手付かず状態になっている。
俺達Vampireが集うにはうってつけの場所だ。

俺は出来るだけ人目の付かない場所を飛んだ。
飛んでいる所を普通の人間なんかに見られたら新聞沙汰では済まない。
探し出され、体の隅から隅まで調べ尽くされて、解剖や人体実験にまで使われるかもしれない。
俺は頭で想像してしまい、小さく身震いをした。


そんなことを考えているうちに、うっすらと見えてくる協会。
協会の屋根には、1体の見慣れたシルエットが月明かりに浮かび上がっていた。


 
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