血の夜

□疑惑
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___side:k.a


ガラガラガラッ。

教師が教室に入ってくると、ザワザワとうるさかったクラスメートも静かに席に着く。


教「よし、出席取るぞ...跡部。」


跡「はい。」


俺は教師が淡々と出席を取るのを、ボーッと聞いていた。


教「...忍足...忍足...?忍足は休みか?」


教師が忍足の席を見ると、案の定忍足の席は空いている。
教師は出席簿に何か書き込むと、何事もなかったのように出席の続きを取り始めた。


跡「(そういやメールで言ってやがったな...。)」


昨日の忍足からのメールを思い出す。
何でも、急に親戚の法事が入ったらしい。


跡「はぁ..。」


いつもは鬱陶しい程(それは言い過ぎかもしれないが)くっついてくる恋人がいないと、やはり気分も暗くなってしまう。


跡「(こんなんじゃダメだ。)」


俺は頭を小さく振り、大して重要でもない担任の話に耳を傾けた。



あっという間に昼休み。
いつもは忍足と食べているが、生憎忍足が居ないため、仕方なくテニス部が集まるであろう屋上に向かった。


ガチャッ。


岳「あれ?跡部じゃん!!」


岳人の声に全員がこちらを向いた。


岳「何で侑士と一緒じゃねえんだよ!もしかして喧嘩でもしたか?」


ニヤニヤと笑いながら岳人が茶化してくる。
その瞳は好奇心でキラキラと輝いていた。


跡「ばーか。今日は忍足が休みなだけだ。残念だったな?」


岳人はつまらなそうにフーンと言うと、他との会話に戻っていった。


 
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