血の夜
□衝動
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宍「じゃあお先。」
俺は部活を終え、早々と着替えると部室を出た。
携帯で時間を確認すると、目的の場所へと足を速める。
向かうは長太郎の家。
しばらく歩いていくと、大きな家が見えてきた。
宍「(確かここ...だよな。)」
前に一度しか来たことないが、多分間違っていないだろう。
ゴクッと唾を飲み込むと、無意識に震えている指でインターフォンを押した。
ピンポーン
母「はい、どちら様でしょうか?」
インターフォン越しに綺麗な細い声が聞こえてくる。
宍「あ、あの...俺、長太郎君の友達何ですけど。」
母「ああ!!長太郎のお友達ね。今開けるわ。」
そう言われるとインターフォンが切れ、家の門が開いた。
すると、玄関から長太郎の母親が出て来た。
母「いらっしゃい。」
宍「あ、おじゃまします。」
母「いきなりだけど、私これから用事があるのよ。だけど遠慮しないでゆっくりしていってね。」
宍「分かりました。ありがとうございます。」
ペコッと頭を下げると、長太郎の母親はそそくさと家を出て行った。
もう一度、唾をゆっくり飲み込む。
ドクッドクッと、段々心臓の音が早くなっていく気がした。
宍「(行くか...。)」
俺は真っ直ぐとドアを見据えると、意を決し家の中へ入っていった。