血の夜
□苦痛
1ページ/2ページ
___side:r.s
いきなりのことに頭が着いて行かず、目からは涙が止まらず、体はガクガク震えている。
正直立っているのがやっとだ。
忍「ん..ご馳走さん。」
忍足がプツリと女の首筋から牙を抜き、満足げに呟く。
ピクリとも動かなくなった女を見て余計に体の震えが止まらなくなった。
忍「やっぱり若い女の血が一番やな。」
ふ..と何気なく女を見ると、女の首筋から血が一筋流れ出ていた。
───その瞬間。
ドクンッ
宍「はッ、..ぁ..!!」
ドクンッ
宍「ぐ、ぅ...!!!」
ドクンッ
宍「(なんだ、これ...)」
体中が沸騰しているんじゃないかと錯覚する位全身が熱い。
見る見るうちに汗が噴き出してきて皮膚を流れていく。
俺はあまりのことに膝から地面に崩れ落ちた。
宍「ぐ、ぁ゙あッ...!!」
今、気が付いた。
喉からこの熱さが来ているのだと。
喉の辺りからジワジワと熱さが体を侵食していき、喉に至ってはもはや熱さなど通り超えて引き裂かれているんじゃないかという位痛い。
そして、異常な程の喉の渇きが余計に俺を苦しめた。
宍「ぐ、ぅッ...あ、ぁ!!」
熱さと痛みに悶えていると、いつの間にか忍足が俺の目の前に立っていた。
宍「あ゙ぁ..ぉ、ッた...ぁ、り...。」
俺は確かに"忍足"と言ったはずなのに、俺の口から出たのは呻き声の様な母音だけで。
そんな俺の声に反応もせず無表情で俺を見下ろしていた忍足が、いきなり目の前でしゃがみ込んだ。
そしておもむろに右手を差し出す。
その右手の人差し指には、真っ赤な血が付いていた。
宍「ぁ゙あ゙ッ...う、あぁ゙!!」
熱い
痛い
血を見た瞬間、体中の熱さと痛みが更に増す。
朦朧とする意識の中、俺は忍足の放った言葉に目を見開いた。
忍「舐めや。」