血の夜
□不安
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___side:k.a
やはりあいつらの態度がおかしい。
忍足、慈郎、鳳は元々不可解な点が多かったが、それに加え宍戸の態度までがおかしくなった。
何かを隠している。
その事実は明確なのに、進展の無い状況に苛立ちは募るばかりだ。
跡「チッ。」
思わず舌打ちをしてしまう。
昨日宍戸に鳳を探らせたが何の発展も無かった。
発展どころか余計に謎は深まってしまった。
こうなったら、
跡「俺様が直々に暴いてやろうじゃねぇの。」
グッと拳を握り締め、俺は行動を開始した。
────...
跡「おい、岳人。」
岳「んあ?何だよ跡部。」
とりあえず部活内から徹底的に聞き取りをすることにした。
勿論あいつらにバレないようにこっそりと。
跡「最近、忍足達の態度がおかしいと思わねぇか?」
岳「達って誰だよ。」
跡「忍足、宍戸、慈郎、鳳だ。」
岳「ふーん。別におかしくなくね?朝練も普通だったし。」
跡「...そうか。」
同じようにテニス部のレギュラーは勿論、準レギュにも話を聞いていった。
だが、
跡「収穫はなしか..。」
周りの奴らはあいつらの秘密に気付いている素振りは無かった。
跡「(どうしたらいい。どうしたらあいつらの、..忍足の秘密に近付ける?)」
実際俺の心の中は不安でぐちゃぐちゃになっていた。
あれだけ俺を溺愛している忍足が、俺に隠し事をしている。
それだけで気が狂いそうだ。
自分らしくない弱気な態度にどんどんと気分は沈んでいく。
俺はもう一度強く拳を握った。
弱気な態度を断ち切る様に。
こうなったら、
跡「俺様が直々に問い詰めてやろうじゃねえの。」
覚悟しろよ、忍足。