血の夜

□不安
1ページ/3ページ




___side:k.a


やはりあいつらの態度がおかしい。
忍足、慈郎、鳳は元々不可解な点が多かったが、それに加え宍戸の態度までがおかしくなった。
何かを隠している。
その事実は明確なのに、進展の無い状況に苛立ちは募るばかりだ。


跡「チッ。」


思わず舌打ちをしてしまう。
昨日宍戸に鳳を探らせたが何の発展も無かった。
発展どころか余計に謎は深まってしまった。
こうなったら、


跡「俺様が直々に暴いてやろうじゃねぇの。」


グッと拳を握り締め、俺は行動を開始した。


────...


跡「おい、岳人。」


岳「んあ?何だよ跡部。」


とりあえず部活内から徹底的に聞き取りをすることにした。
勿論あいつらにバレないようにこっそりと。


跡「最近、忍足達の態度がおかしいと思わねぇか?」


岳「達って誰だよ。」


跡「忍足、宍戸、慈郎、鳳だ。」


岳「ふーん。別におかしくなくね?朝練も普通だったし。」


跡「...そうか。」


同じようにテニス部のレギュラーは勿論、準レギュにも話を聞いていった。
だが、


跡「収穫はなしか..。」


周りの奴らはあいつらの秘密に気付いている素振りは無かった。


跡「(どうしたらいい。どうしたらあいつらの、..忍足の秘密に近付ける?)」


実際俺の心の中は不安でぐちゃぐちゃになっていた。
あれだけ俺を溺愛している忍足が、俺に隠し事をしている。
それだけで気が狂いそうだ。
自分らしくない弱気な態度にどんどんと気分は沈んでいく。
俺はもう一度強く拳を握った。
弱気な態度を断ち切る様に。

こうなったら、


跡「俺様が直々に問い詰めてやろうじゃねえの。」


覚悟しろよ、忍足。


 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ