Tactics~また逢おう,君が覚えていなくても~

□第一章
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──この空は、今も昔も変わらない。


   繰り返し、雪を降り注がせる。


  あの日と同じ色のまま。



   世界を、白く包み込む───





雪雲が、遠い空から花を落とす。


平成24年、1月中旬。

倉花 天那(くらはな てな)は、学校へ向かって歩いていた。


積もった深雪に、真新しい足跡をつける。

吐いた息が、白く景色に溶けてゆく。


どこか懐かしくなる季節。


遠い過去、雪は何かを思い出させようとするけれど。

それは遠すぎて、まだ分からない。


今年は、何か起こりそうな予感がした。



 
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