Tactics~また逢おう,君が覚えていなくても~

□第二章
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──真っ白な雪に埋もれて…


視界が、真っ暗になった。



「──!!」


どれくらい、目を閉じていただろう。

否、眠っていた…かもしれない。


「…どこ……ここ…」


そこは、深い水の中。

でも、不思議と呼吸ができる。

現実感の無い、虚ろな空間。



「──助けて──」
「!?」


水を伝って、声が聞こえてくる。


「誰…?」


体をひねるようにして振り返ると、ひとりの少女が居た。

天那より少し年下くらいの、着物を着た少女。

少女の長い茶髪が、天那のたてた波紋に揺れる。


「お願い、もう私には助けられないから──」
「…何…を…」


混乱しつつも、問いかけてみた。


「──お兄ちゃんを」
「…あなたの?」


少女はそっとうなずく。

そして、天那の手を両手で包んだ。


「……」


生気を感じられない、冷たい手。


「──ごめんなさい」
「え──」



──どうして、謝るの?



 
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