ホラー

□ドライブ
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その山は、車で登る事ができました。

片道一車線の狭い道路です。
後から聞いた話なのですが、この山は地元では有名な心霊スポットだったらしいのです。


とにかく、そのときの私たちはそんなことは全く知りません。
知っていたとしても、昼間だから大丈夫だろうと登っていたでしょう。




「あっれ〜??」


「なんかさっきから景色変わんないね〜」




それどころか、同じ所をグルグルと回っている気がします。

彼女もそれに気付いているのでしょうか、次第に焦りが見えてきました。


けれど、一度も分かれ道など見ませんでした。
それどころか、一台も車とすれ違っていません。

しかも、どんどん奥に入っていく気さえしてきます。




「ちょ、戻ろうよ」


「………そうだね。でも、此処どこだろ」




私たちはカーナビを使っていませんでした。
いえ、使ってはいましたが目的地を入れていないので“使っていない”になるのでしょうか。

彼女は目的地を自宅にして、走り出しました。
ナビは順調に案内します。

私たちも安心して指示されるがままにハンドルを切ります。




《目的地に到着しました》







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